どうなる?「佐野氏デザイン」を巡る法の裁き 著作権侵害、損害賠償請求…実際はどこまで
「トートバッグが今後配布されるおそれはないため、差し止めの対象となる行為は、すでになくなっています。考えられるとすれば、損害賠償請求でしょう。
この場合の損害額ですが、日本の著作権法では、報酬を受けていれば、その一部を著作権者の損害額として推定したり、使用料相当額を損害額として推定したりする規定があります。
アイデア自体は著作権で保護されない
「一方で、ディバイン氏の場合、似ているのは線と黒丸を使って表現するというアイデアの部分であり、このアイデア自体は著作権で保護されません。著作権侵害の主張そのものが、かなり難しいのではないでしょうか」
2人はアメリカ在住だが、そのあたりはどう考慮されるのだろうか。
「アメリカで創作されたものでも、著作権は、アメリカはもちろん、条約によって日本でも認められます。
ただ、佐野氏が日本で活動しているため、法的措置を考える場合、日米どちらで提訴するにしても、国際裁判管轄の問題が生じます。
五輪エンブレムのように、欧州在住のデザイナーが、同じ欧州に本拠をおくIOCを提訴するのとはまた違った問題がありますね」
早瀬弁護士はこのように述べていた。
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