色々あったオリンピックで結局「一番得した」会社 あらゆる場面で目立っていたブランドは?

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大会の組織委員会の予算は43億8000万ユーロでこのうち、12億2600万ユーロを協賛企業からの収入で賄う計画だ。今大会にはグローバルパートナーのトヨタ自動車やパナソニックのほか、世界で80あまりの企業がスポンサーとして運営を支援している。報道通りの数字だとすれば、協賛収入全体の1割以上をLVMH1社が負担している計算。「メインスポンサー」といっても過言ではない。

選手団のウェアからメダルまで

開会式に出席したフランス代表の選手団が着用していた「濡れてもシワになりにくい」とされるウェアは、LVMH傘下のファッションブランド、イタリアの「ベルルッティ」製。同じく傘下の化粧品の「セフォラ」は聖火リレーのパートナーを務めた。エンディングに登場した世界の歌姫、セリーヌ・ディオンが身にまとっていたのは「クリスチャン・ディオール」のオートクチュールだった。

ディオールのオートクチュールに身を包んで「愛の讃歌」を熱唱したセリーヌ・ディオン(写真:パリ大会の公式インスタグラムより)

開会式だけではない。世界中の多くの視聴者が大会期間中、LVMHブランドを目にしているはずだ。メダルはジュエリーの「ショーメ」がデザインしたもの。メダルを授与する500人あまりのボランティアの衣装は「ルイ・ヴィトン」が担当した。メダルやトーチの専用トランクも同社の製作だ。

ルイ・ヴィトンはさらに、フランスの有力選手とのパートナーシップ契約も締結。圧倒的な強さで個人種目4冠を達成した競泳のレオン・マルシャン選手や、7人制ラグビー男子で同国を金メダルに導いた15人制のスター、アントワーヌ・デュポン選手らがアンバサダーとして広告塔の役割を担う。LVMHのホームページではマルシャン選手の写真がトップを飾る。

LVMHが運営するセーヌ川沿いに建つ高級ホテルの「シュバルブラン・パリ」は大会期間中、同社のゲストのために貸し切り。パリの街がLVMH一色に染まっている。

LVMHブランドのロゴなどが前面に押し出されているわけではない。だが、フランスのAFP通信社によれば、アルノー氏の息子でLVMH取締役のフランソワ・アルノー氏は報道陣に対し、「ある程度の文化的な知識があれば、ヴィトンのブランドであるのを見分けることができる」などと話している。

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