「南海高野線の終点」極楽橋、知られざる駅前風景 ケーブルカー乗り継ぎが中心、改札を出ると…?
24あるトンネルの最後を出てすぐの極楽橋駅は、これ以上は普通の鉄道で上れない、といわんばかりの山の中にある。標高は535m。特急の終着駅にもかかわらず、2023年度の1日平均乗降人員は58人と際立って少ない。
電車を降りた乗客のほとんどは改札を出ることなくそのまま、高野山ケーブルカーの乗り場へ向かう。ケーブルカーは発車すると約5分で標高867mの高野山駅に到着する。
高野山駅の乗降人員は1669人。駅前のロータリーでバスへ乗り継ぎ、金堂や根本大塔などが建ち並ぶ壇上伽藍、奥之院といった真言密教の聖地へ向かうのが一般的だ。専用道を走る南海りんかんバスの車窓にはシカなどの野生動物が現れることも多く、国内外からやってきた観光客を喜ばせている。
歴史が古い極楽橋駅
現在でいう高野線は1925年に高野下までが開業。当時は高野下駅が「高野山駅」を名乗っていた。同年設立された高野山電気鉄道が難工事の末、1928年6月に神谷(現在の紀伊神谷)、1929年2月に極楽橋まで開通させた。ケーブルカーと高野山駅は1930年6月に開業した。
ケーブルカーの乗り場とは不動川を渡る構内通路で結ばれている。歴史ある極楽橋駅だが、電車からケーブルカーへスムーズに乗り継げてしまうため、じっくり構内を観察する時間はあまりなさそうだ。
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