相川七瀬「40代で見つけたロック以外の新しい軸」 「大学と家庭の両立」葛藤を超えて掴んだもの

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――心残りがあったんですね。

はい。だから、近道をしたいわけではなく、一歩一歩進むことが必要でした。高卒認定をとり、大学受験をする。そういうスタートラインに立ちたかった。遅れてきた青春を取り戻すようにキャンパスライフを楽しみながら学び卒業しました。院に進学してやっとこれからが本番だという気持ちでいます。

――受験や大学生活には、どんな思い出がありますか。

実は長男と私の大学受験は同年だったんです。だから、勉強で、分からないところは長男に教えてもらったりもしていました。

大学入学時はコロナ禍だったので、最初の2年は失われたところもありましたが、私からクラスメートとLINE交換して、サークルも入ったし、仲良しの女子グループで沖縄に卒業旅行に行ったり。本当に楽しい4年間でした。

――世代を超えたいい友達もできたんですね。

長男と同世代で、20歳以上も年下の同級生たちにとって、私は不思議な存在だったんじゃないかな。同級生としての会話もするけど、時々、「コレはよくないんじゃない」なんて、お母さんみたいなことも言うから(笑)。

(撮影:梅谷秀司)

私も彼、彼女たちから学ぶことは多々ありました。彼らの世代でも十分に大人だし、いろんなことをしっかり考えているんですよね。自分の子どものことは、いくつになっても子ども扱いして心配してばかりいたけど、同級生たちと付き合って、長男への見方も変わりました。

大人の学び直しのコツは小さな山から登ること

――とはいえ、40代でイチからの学び直しは体力的にも時間的にも大変です。今から大学受験なんて考えられないという同世代は多いと思います。

私もいきなり大学受験しようと思ったわけじゃないんです。最初は、興味を持っていた神道を学んでみたくて、國學院大学の科目履修生になりました。学ぶほどに興味も意欲も大きくなって、通っているうちに「この学部面白いな。入りたいな」と。「そのために必要なものは? そうだ、高卒認定を取らなければ!」と挑戦してみることに。

――大学受験までに、思考と行動を積み重ねていた準備期間があったんですね。

私、器用ではなくて……コツコツじゃないと安心できないんです。最初から大学に行こうという目標を掲げたら、それは大きな山だから登れる気がしなかったと思います。まずは科目履修生、次に高卒認定……と、頑張れば届きそうな山を作って何とか登り切る。その成功体験を自分に覚えさせて、「やれる。まだもう少し行ける」と言い聞かせながら一歩一歩進んできました(笑)。

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