「スバル」快走の陰に外国人労働者の苦悩 アジアやアフリカからの難民申請者が就労
インド人のモハメッド・シャフィール・カライ氏(28)は難民申請者だが、昨年8月、スバルやホンダに自動車部品を納める池田製作所の工場でベルトコンベヤーに左手薬指の先が巻き込まれる事故にあった。
カライ氏によると、指が切断されるほどの事故だったにもかかわらず、池田製作所のマネジャーは事故後、救急車を呼ばなかった。代わりに、製作所側は派遣業者を呼び、カライ氏は病院に連れて行かれるまで、およそ30分待たされたという。
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同社の総務部総務課係長だった中嶋郁夫氏は「我々は止血をし、傷口を抑えるように言った」と話す。八木貞雄総務部長は、同社が斡旋業者に連絡したことは認めたが、救急車を呼ばなかったのは緊急医療事故に該当すると思わなかったからだと説明する。その業者の到着や治療にかかった時間はわからないという。
同社によると、カライ氏の事故が起きたのは、ベルトコンベヤーについている安全ガードが何らかの理由で外れ落ちてしまったため。この事故後、同社は製造ラインの安全性を確実にする方策を講じたとしている。
カライ氏は「すごい量の血が流れ、私は『痛くてたまらない。病院に行きたい、誰かと一緒に行きたい』と伝えたが、彼らは『私たちには関係ない』というばかりだった」と話す。
(Thomas Wilson, Antoni Slodkowski and Mari Saito 翻訳編集:加藤京子、北松克朗)
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