五輪で「米国に勝利した」バスケ日本女子の"金言" 東京五輪で銀、パリで金目指す女子バスケに必要なもの

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この気持ちをパリ五輪を戦う代表選手たちも持っている。最年長36歳の吉田亜沙美はバスケットシューズのサイド部分に、選抜合宿や遠征に参加したものの最後に代表入りできなかた選手たちの背番号を書き込んでいる。半世紀前から選ばれし者たちの自覚は引き継がれているのだ。

ところで、「忍者ディフェンス」の意味は、片桐さんによると「相手の背後からスーッと来て2人でサンドして相手を動けなくするから」だそうだ。つまりは、自分のマークマンとの一対一に熱中している相手の虚を突いて、忍者のように忍び足で足音をたてないように近づくからだという。

片桐さんは「相手に気づかれないように近づけと監督からも言われました。そして他の選手は自分の相手を抱きしめてでもいいからパスを受けさせるな、と。そういう練習もいっぱいしました。ディフェンスの練習は本当にきつかった」と懐かしむように話した。

「忍者ディフェンス」から、「ダブルチーム」へ

このいきなり2人で囲み込む守備は現在「ダブルチーム」と呼ばれる。ダブルチームを繰り出す激しいディフェンスは、パリに挑む日本の大きな切り札でもある。また、モントリオールの代表チームには「冷静に、そして大胆に」という合言葉もあったが、この感覚はパリ組にもフィットするだろう。

「初戦のアメリカ戦はまだ予選なので自分たちの好きなようにプレーしてもいいんじゃないでしょうか。それをフランスやベルギーがみていることを頭に置いて。私でさえ自分が日本を抑えるとしたらどう演出するかな?って考えながらみることもありますよ」と今野さん。すべての国がそうやって策を練ってくる。頭脳戦を制すること、「最後は自分だ」と全員が思うことで、勝機は見出せるだろう。

島沢 優子 フリーライター

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しまざわ ゆうこ / Yuko Simazawa

日本文芸家協会会員。筑波大学卒業後、広告代理店勤務、英国留学を経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。主に週刊誌『AERA』やネットニュースで、スポーツや教育関係等をフィールドに執筆。

著書に『世界を獲るノート アスリートのインテリジェンス』(カンゼン)、『部活があぶない』(講談社現代新書)、『左手一本のシュート 夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』(小学館)など多数。

 

 

 

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