自己流だと危険?痛みを防ぐ「宅トレ」のやり方 「短時間で高い効果」は夢物語、一歩ずつが肝要

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「HIITは、短時間で高強度の運動により心肺機能の向上を目指すトレーニング法なので、運動習慣がない初心者がやるにはきつすぎることがあります。もちろん、初心者用の導入編もありますが、短時間で何かしらの身体的効果を得ようとし、何年も運動をしていない人が急に強度が高いトレーニングを始めると、ケガのリスクを高めます。

学生時代にスポーツをしていた人、週に2回身体を動かしている人、週に4回身体を動かしている人、毎日ランニングを欠かさない人、毎日ストレッチを続けている人などそれぞれに、どの程度の負荷が適しているかは異なります。自分の身体の状態を見極めてからトレーニングを開始することが必要です」(小玉氏、以下の発言すべて同様)

環太平洋大学 体育学部 健康科学科 副学科長 准教授の小玉京士朗氏
小玉京士朗(こだま・けいじろう)/環太平洋大学 体育学部 健康科学科 副学科長、准教授、博士(健康科学)。柔道整復師、(公財)日本パラスポーツトレーナー。医療技術系高等教育機関や専門教育機関で研究教育、都内の整形外科クリニックにてリハビリテーション科科長を歴任。小児や高齢者、障がい者、トップアスリートと幅広い対象層の外傷・障害に対するリハビリテーション、発生予防に携わる。2014年より岡山県の環太平洋大学に着任。2015・16年岡山県国体スタッフ(サッカー)、2015年~シッティングバレーボール男子日本代表チームのメディカルスタッフとして国際大会に帯同、医学的観点から県内のパラスポーツの普及・推進活動に従事している(写真は本人提供)

何年も運動をしていない人は、まずストレッチから始めたい。硬くなっている筋肉や関節を軟らかくするために、小玉氏がまず勧めるのが「ラジオ体操」だ。

「ラジオ体操は、真剣にやると意外とキツかったと話す患者さんもいます。若い頃ほど肩が上がらないなど気づきもあるかもしれません。人間の身体はそれほどすぐに変わりません。3週間ほど毎日ラジオ体操を続け、全身の筋肉や関節がなめらかに動くことを実感したら次にウォーキングを追加してみる。

ウォーキングもいきなり早歩き1万歩ではなく、ゆっくり5000歩程度から始めるのがいいでしょう。例として歩数を挙げましたが、人によって歩幅も異なりますし、歩数に意識が行きがちになるため、時間を目安にするのもおすすめです。

初めは15~20分程度の持続的な運動として取り組みます。その後、運動時間を30分、40分、50分と伸ばしていくのもいいですし、時間は変更せずに歩く速度を日頃の速さから早歩き、ランニングと徐々に負荷を上げていく方法も1つです。負荷を上げるタイミングは、継続した取り組みを行って3~4週間程度を目安にします」

運動をやめるべき「身体のサイン」

「YouTube動画を見ながらダンスエクササイズをしていたら背中が痛くなった」「速い速度でのウォーキングを朝の日課にしているが最近、膝が痛い」といったように、運動を続けていたら痛みが出てくることがある。

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