「本当の人生」にもっとも必要な夫婦関係の見直し 一度目や若い頃の結婚は「偽りの自己」が決めがち

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二つ目は、生活や将来への不安です。

年金を分割しても生活できるのかとか、男性の場合は家事ができないといった不安もあるでしょう。今の60代であれば、家事のできる男性も増えているようですが、それができない男性にとっては不安も大きいことでしょう。

ただ、今の人手不足のご時世では、60代なら十分に働いてお金も稼げますし、貯金がない場合は、生活保護という手もあります。本当の自分というのは、世間とか人目から自由になって、生きたいように生きるということですから、生活保護を恥ずかしがる必要はありません。

もちろん、それでは足りないという場合は稼ぐ手段を考えないといけませんが、無理に夫婦生活を続けていれば、かえって好きにお金を使えない可能性もあります。

家事の不安も昔よりはだいぶ軽減されています。食事は冷凍食品がびっくりするくらいおいしいし、一人向けのお弁当や惣菜も買いやすくなっています。掃除なども家事代行を比較的リーズナブルなお金で頼めるし、私のように本当の自分としては、部屋が片付いていないほうが落ち着く人間もいます。

一人になるのは怖くない

三つ目は、孤独への不安です。

ただ、これも案ずるより産むがやすしというか、実際、一人暮らしになると慣れる人が多いようです。実際、一人暮らしの高齢者のほうが、家族と同居している高齢者より自殺が少ないというデータもあります。女性などはとくに一人暮らしに強いようです。

ということで、本当の自分に戻るためのプロセスとして、熟年離婚を積極的に勧める気はありませんが、十分に考慮に値する選択肢とは言えそうです。

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和田 秀樹 精神科医

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わだ ひでき / Hideki Wada

1960年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェロー、浴風会病院精神科医師を経て、現在は和田秀樹こころと体のクリニック院長。高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたって高齢者医療の現場に携わる。『70歳が老化の分かれ道』(詩想社新書)、『80歳の壁』(幻冬舎新書)、『60歳からはやりたい放題』(扶桑社新書)、『老いたら好きに生きる』(毎日新聞出版)など著書多数。

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