株主還元自体は可能だとしても、今後の成長戦略に対する暗雲は深くなった。
中計で目指す2027年3月期の営業利益は15億円。このうち6億円をM&Aを通じて取得した新規事業などで稼ぐとしている。そのための買収資金は少なくとも数十億円が必要だ。前出の不動産売却で得られる資金を買収に使うことができないならば、ほかの資金調達手段を探す必要がある。
資金調達の具体的方策は見えず
その具体的な方策は見えないままだ。山田氏は「詳細は話せないが、(還元強化は)さまざまな試算を行った結果だ」と話すが、ショッピングセンター売却などさらなる合理化を今後迫られる可能性がある。
本業であるアパレル事業の立て直しも順調に進むのか不透明だ。あるアパレル業界関係者は山田氏について「彼はあくまで“コンサル”。事業経験が豊富なわけでもなく、現場に入り込んで立て直すことは難しいだろう」と手厳しい。
本業の不振で株価が振るわない間に投資ファンドに株式の多くを握られ、揺さぶりをかけられるダイドー。不動産などの換金可能な資産を吐き出したのちも、株主との緊張関係を強いられる可能性は高い。長いトンネルの出口はまだ見えそうにない。
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