京阪天満橋直結のランドマーク「OMM」の存在感 アパレルの集積地として建設された巨大ビル
京阪電気鉄道が2011年に発行した社史『京阪百年のあゆみ』は、旧天満橋駅の跡地について「京阪電車開業以来、大阪側のターミナル駅として長年にわたって利用されてきた駅であり、京阪電鉄にとって、創業から戦後にいたる困難な時期をともに歩んできた思い入れの深い場所であった」と位置づける。
再開発をするにあたって、当時の社内ではボウリング場などのレジャー施設や水族館を建設する計画も浮上したという。最終的には大阪の繊維卸業が集まる船場地区の過密を解消する必要性から卸センターが建設されることになった。
大阪市や京阪電鉄、竹中工務店、関西電力、大阪瓦斯などが出資して株式会社大阪マーチャンダイズ・マートを設立。ビルは1969年8月、約2年半の工事を経て完成し、営業を開始した。地下4階、地上22階、延床面積13万1400㎡で「建設当時、大阪のみならず西日本最大のビルだった」(『京阪百年のあゆみ』)。
開業20年目に大変貌
OMMは「Osaka Merchandise Mart(大阪マーチャンダイズ・マート)」の略。アメリカ・シカゴのマーチャンダイズ・マートにちなんで名づけられた。「繊維・アパレル卸関係の一大集積地」として、国内外の有名デザイナーによるファッションショーも開かれたという。
その後、大阪マーチャンダイズ・マートは2015年、京阪電気鉄道によって完全子会社化され、2016年に京阪建物へ商号変更した。
京阪建物OMM事業部の安井彰彦さんは「いまでこそガラス張りですが、開業から20年はコンクリートの壁がむき出しでした。ガラスは3カ月に1回清掃をしています」と説明する。OMMは1989年、大規模改装⼯事によって従来のコンクリートパネルの外壁をガラスのカーテンウォールで覆う外観に生まれ変わった。
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