「カルチャー帝国」築く高級ブランドのしたたかさ ルイ・ヴィトンの「衝撃人事」が示す異変とは?

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衣服ごみが一面に埋まるケニアの光景
衣服ごみが一面に埋まるケニアの光景。ドキュメンタリー映画『燃えるドレスを紡いで』でのワンシーン/出演:中里唯馬 監督:関根光才、プロデューサー:鎌田雄介、撮影監督:アンジェ・ラズ(写真:制作会社提供)

また戦争や自然災害で苦しむ人が増えている今、話題先行で熱狂をあおるコラボ製品やブランドロゴを誇示する「ロゴマニア」と呼ばれるスタイルはもはや「鈍感」と見なされ、息をひそめた。

そんなムードにサステナビリティーという価値観が加わり、上質で控えめな服に脚光が当たるようになった。クワイエット・ラグジュアリーが注目されるようになったのだ。

品質も価格も高い「知る人ぞ知る」ブランド

コロナ禍前の「ロゴ崇拝」の喧騒をいったんリセットしたこの潮流は、2022年頃から活発に話題に上り、2023年秋冬コレクションを席巻した。

クワイエット・ラグジュアリーブームに火をつけた女優のグウィネス・パルトロウ
クワイエット・ラグジュアリーブームに火をつけた女優のグウィネス・パルトロウ。スキー中の事故をめぐり訴訟を起こされ、抑制のきいた高級品を着こなす「法廷ファッション」が注目された(写真:Pool/Getty Images)

例えば、高いテーラリング(仕立て)技術を上質な素材に落としこんだウェアを展開するザ・ロウや、職人技術を尊重し、気負わぬ贅沢感を漂わせるブルネロ・クチネリといった、品質も価格も高い「知る人ぞ知る」ブランドが注目を浴びた。

ブルネロ・クチネリの落ち着いた色合いのスタイル
ブルネロ・クチネリ 2024〜25年秋冬コレクション(写真: Claudio Lavenia /Getty Images)
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