2011年夏ベスト経済書2位・『ポスト・マネタリズムの金融政策』 翁邦雄著 ~金融政策の理論を鳥瞰できる注目書
日米の金融政策におけるマネタリズムの影響を詳細に紹介・検討しつつ、金融政策全般にまつわる理論と実践を平易に解説している。金融危機に絡めたエピソードや中央銀行の行動についても詳しく述べている。とりわけ、まだ答えが見いだせていないFEDビュー(バブルは破裂するまでわからないから金融政策として予防的に対応しない)とBISビュー(金融政策当局の仕事として資産価格の変動にも目配りが必要)の対立について、著者の整理は金融政策の本質を再考するうえで大いに参考になるだろう。(奥本郷司)
リーマンショックを経験した今後の金融政策は、少なくともこれまでのスタンスをある程度変更する必要があるのは明らか。ではどうあるべきなのか、まだ答えが出ないこの問題を考えるうえで、非常に有益な一冊。(花田 普)
日銀エコノミストとして活躍してきた著者が、現代の金融政策を大局的な視点で総括した。中央銀行関係者による、この分野での一つの到達点。(後藤康雄)
日本経済新聞出版社/2520円
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