能登半島地震、被災地で見た「地域の足」の現状 各社連携し運行、復興のカギは「現地への関心」

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具体的には金沢市を出発して、七尾市、穴水町、輪島市を訪れた。4月6日に全線での運行を再開したのと鉄道の穴水駅、輪島駅跡地にある道の駅輪島、1月27日から臨時便の運行を再開しているのと里山空港などの交通結節点にも立ち寄った。

まず感じたのは、ニュースでは輪島市や珠洲市の話題が多くを占めるが、実際はそれ以外の地域も、至る所に地震の爪痕が見られたということだ。

のと鉄道の穴水駅
のと鉄道七尾線終着駅の穴水駅=2024年4月(筆者撮影)
國銀行穴水支店
被害を受けた穴水町の北國銀行穴水支店。現在は町役場内で営業=2024年4月(筆者撮影)

石川県内のすべての自治体に支店を持つ北國銀行では、「能登町の松浪支店は損傷が激しく、珠洲市店での仮営業を決定し、穴水支店と志賀町の富来(とぎ)支店は現在、町役場内で営業している」とのことだった。たしかに穴水町を訪れると、倒壊している家屋が各所で見られるなど、想像以上の惨状となっていた。

バスにも深刻な影響

穴水町の南に位置する七尾市も被害を受けている。北陸鉄道グループで輪島市・珠洲市・穴水町・能登町の奥能登地区を担当する北鉄奥能登バスは「七尾にある委託整備会社のリフトが土台の沈下で使えなくなり、車検の際は金沢まで車両を持っていかなければならず苦労している」と、業務に深刻な影響が及んでいることを明かした。

北鉄奥能登バス本社
輪島市の北鉄奥能登バス本社=2024年4月(筆者撮影)
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