中国電池CATLが「フランス海運大手」と提携の背景 船舶の電動化などで協業、合弁会社設立も計画

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今回のCATLとCMA CGMの提携契約は、中国の習近平国家主席が5月5日から10日までフランス、セルビア、ハンガリーを訪問したのに合わせて調印された。習主席の欧州歴訪には、中国の企業家随行団の一員としてCATL董事長(会長に相当)の曽毓群(そう・いくぐん)氏が同行した。

自動車産業が集積するヨーロッパは、CATLにとって重要な戦略市場だ。写真は同社のドイツ工場(CATLのウェブサイトより)

曽氏は5月6日、パリで開催された中仏企業家のフォーラムに出席。その会場でスピーチしたフランスのエマニュエル・マクロン大統領は、中国企業による積極的な対仏投資に期待を示し、次のように述べた。

「中国には世界が認める(高度な)専門技術が多数ある。例えば電池、EV、太陽光パネルなどだ。中国企業がフランスに進出し、事業を拡大するのを歓迎する」

攻めの経営で成長維持へ

CATLは(中国市場に比べて低かった)海外市場でのシェア拡大に邁進しており、なかでも(自動車産業が集積する)ヨーロッパは重要な戦略市場だ。同社は2023年1月にドイツの電池工場を稼働させたほか、ハンガリーでも大規模工場の建設を進めている。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

世界の自動車市場では、ここにきてEV販売の成長の勢いに陰りが見られる。そんな中、CATLは攻めの経営を貫くことで、(競合メーカーから市場シェアを奪って)成長を維持する考えだ。

韓国の市場調査会社SNEリサーチのデータによれば、車載電池のグローバル市場における2024年1~3月期のCATLのシェアは37.9%。第2位の中国のBYD(市場シェア14.3%)、第3位の韓国のLGエナジーソリューション(同13.6%)に大差をつけて首位の座を守った。

(財新記者:安麗敏)
※原文記事の配信は5月9日

財新編集部

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Caixin

2009年設立の財新は中国の経済メディアとして週刊誌やオンライン媒体を展開している。“独立、客観、公正”という原則を掲げた調査報道を行い、報道統制が厳しい中国で、世界を震撼させるスクープを連発。データ景気指数などの情報サービスも手がける。2019年末に東洋経済新報社と提携した。(新型肺炎 中国現地リポート「疫病都市」はこちらで読めます

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