もう1人の主人公が外国船で漂着した英国人航海士ジョン・ブラックソーンです。虎永と出会ったことで虎永の家臣となり、按針(アンジン)と呼ばれます。演じているのはアメリカで活躍する演技派俳優のコズモ・ジャーヴィスです。
ヒロインとして登場するのは、キリシタンで通詞を務める戸田鞠子という人物。この時代にしては英語の言語能力が高すぎますが、謀反⼈の娘としての宿命を背負い、自分を押し殺して生きている様が何より印象的に映ります。明智光秀の娘である細川ガラシャがモデルです。
数年前に活動拠点を日本からアメリカに移したアンナ・サワイがこの役に抜擢されています。イギリスBBCとNetflixが共同制作したヤクザものドラマ「Giri / Haji」や在日韓国人の家族を描いたApple TV+のドラマ「パチンコ - Pachinko」など高い評価を得る国際作品の出演実績があるなか、ヒロイン役は今回が初めてです。
存在感光る「二階堂ふみ」と「浅野忠信」
かつて同じ原作をもとに1980年にもアメリカ4大ネットワークのNBCでドラマ化され、虎永役を三船敏郎が、鞠子役を島田陽子が演じましたが、今回の「SHOGUN 将軍」はこれをリメイクしたものではありません。ディズニープラスの「スター」ブランドのオリジナルドラマとして新しく作られ、キャラクターの作り込みは旬な海外ドラマそのものです。
映画「トップガン マーヴェリック」の原案を手掛けたジャスティン・マークスなどが製作総指揮を手掛け、ドラマ賞レースの常連プロダクションでディズニーグループのFXが製作しています。日本を舞台にした作品ということで、主演の真田をプロデューサーとして迎え入れてもいます。
ザ・家康物語というわけではないのが本作の面白さとも言えます。虎永と按針、そしてこの2人の運命のカギを握る鞠子が中心人物として展開されますが、脇を固めるキャラクターひとりひとりの腹黒さや嫉妬心、覚悟を決めた瞬間や本音をふと語る表情まで描き切っている点が光ります。上質なキャラクター合戦をより堪能できるでしょう。アメリカHBOの超ヒット作「メディア王 〜華麗なる一族〜」を彷彿とさせます。
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