海外での躍進とは対照的に、中国市場における奇瑞汽車の売れ行きはぱっとしない。中国では2020年後半からEVブームが始まり、EVとPHV(プラグインハイブリッド車)が市場拡大を牽引している。ところが、奇瑞汽車はこの巨大なチャンスをつかみ損ねた。
奇瑞汽車のEV開発の取り組みは、実は競合他社の多くよりも早かった。同社は2010年に専業の子会社を設立し、低価格のマイクロEVを投入。だが、中国のEVブームは個人の富裕層向けの高級EVから火がついたため、マイクロEVは市場の流れに取り残された。
中国でトップ5入り目指す
とはいえ同社は、本拠地の中国市場でこのまま下位に甘んじるつもりはない。「EVやPHVのカテゴリーで先行企業を追い上げ、2024年中に中国市場のトップ5に入りたい」。董事長の尹氏は4月14日のオンラインイベントで、そんな強気の目標を掲げた。
尹氏の見方によれば、電動車がエンジン車に取って代わる流れは変わらないものの、現在はEVの成長スピードが鈍化し、PHVとレンジエクステンダー型EV(訳注:航続距離を延長するための発電専用エンジンを搭載したEV)が市場の主流になりつつある。
「PHVとレンジエクステンダー型EVにはエンジンの存在が欠かせない。奇瑞汽車には長年積み重ねてきたエンジン技術の蓄積があり、その活用が市場シェア拡大に役立つはずだ」。尹氏はそう自信を示した。
(財新記者:安麗敏)
※原文の配信は4月15日
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