一条校で初の「ケンブリッジ国際認定」小学校、昭和女子大附属昭和小の教育 すべて英語で学ぶ「英語イマージョン教育」とは
インターナショナルスクールは、求められる英語力や学費の高さなどの点からハードルが高く検討しにくいという家庭は少なくない。昨今のグローバル教育に対する関心の高さはもとより、昭和小学校が一条校であることから世間の注目を大いに集めたのだろう。
だが、なぜ日本でメジャーなIBではなくケンブリッジ国際教育プログラムを導入することにしたのか。
「文部科学省は2022年までに、日本におけるIB認定校を200校に増やす計画を主導し、達成しました。国内ではケンブリッジよりIBのほうが認知度が高く、日本の教育に刺激を与えているのは事実です。しかし、IBは自由度が高いだけに教員の裁量によるところが大きく、現場で担当する教員によって提供できる教育レベルに格差が生まれる懸念がありました。ケンブリッジ国際カリキュラムには100年以上の歴史があり、これまで蓄積されてきたノウハウにより、教科書や教え方の体系が大変しっかりしています。一条校として取り入れるには、学習指導要領との親和性も高い科目ベースのケンブリッジが最適解ではないかと考え、採用に至りました」(坂東氏)
すべて英語で学ぶ「英語イマージョン」を実施
昭和小学校は1学年3クラス編成で、うち2クラスは「探究コース」、1クラスが「国際コース」となる。「国際コース」では、バイリンガル教育の1つ、母国語と第2言語で学ぶ「イマージョン教育」を取り入れている。校長の前田崇司氏は、こう話す。
「『国際コース』では、学習指導要領に準拠した本校のカリキュラムに沿って、国語・道徳、特別活動等は第1言語である日本語で授業を実施します。一方、算数や生活をはじめとするほかの教科等は、学ぶ内容は本校のカリキュラムですが、すべて「英語で学ぶ」英語イマージョン教育を実施します。
1学級の児童数36名に対し、バイリンガルの日本人担任1名と英語を母国語とする外国人教員2名の計3名の指導体制のもと、手厚く支援・指導していきます。また、教育効果を高める視点から子どもたちを2つのグループに分け、それぞれに外国人教員の担当をつけて丁寧に教えるなど、少人数での学びも取り入れていく予定です」
英語イマージョンのボリュームは、全体のどれほどを占めるのか。

昭和女子大学附属昭和小学校校長
横浜で教員、学校長や教育委員会を経て、2022年度より現職。「Lead yourself~自分リーダーシップの発揮~」を資質・能力の柱とする学校づくりに努め、今春「国際・探究」の新コース開設に尽力。モットーは「子どもの成長ファースト」。共著等に『授業力向上の鍵』『教師力向上の鍵』(ともに時事通信社)『教師の背中を押す校長・教頭の一言』(教育開発研究所)等がある
「『国際コース』のカリキュラムは、全体の3分の2が英語で学ぶ内容になっています。2024年度の新1年生が英語で学ぶ教科は算数、生活、図工、音楽、体育。教育課程特例校(学校を指定し、学習指導要領等によらない教育課程を編成して実施することを認める制度)として文部科学省からの指定もいただいています。