おしゃれ男子の新鉄則「理髪店でコーヒー」 ニューヨークに新たなブームがやってきた

拡大
縮小

こうした店はスタイルにこだわる顧客を主なターゲットとしており、予約なしで入れる一般的な理髪店と比べると、カットの値段は何倍にもなる。内装は理髪店というよりは、地元の農産物にこだわったレストランや、メンズウェアのブティックに近い(はさみやクシ、バービサイド消毒液のビンなどが並べてあることを除いて)。

髪と食べ物には共通点などないように思われるかもしれない。だが、ある一定の層にとっては、倫理的に正しい方法で育てられ、地元で焙煎された豆を使ったカプチーノが、高品質なヘアカットとピッタリ合うのだ。

髪にこだわる人はコーヒーにもこだわる

パーソンズ・オブ・インタレストのバリスタ。(Daniel Krieger/The New York Times)

ウィリアムズバーグに店を構える理髪店「パーソンズ・オブ・インタレスト」は、「パーラー・コーヒー」と組んでエスプレッソ・ドリンクを提供している。そこのオーナーであるスティーブ・マークスは「絶対に同じグループのお客さんだ」と言う。「上質なヘアカットを求める人たちは、最高のコーヒーを進んで手に入れようとする人たちでもある」。

パーラー・コーヒーの創設者、ディロン・エドワーズは言う。「ヘアカットに45ドル(約5500円)出そうとする人は、コーヒー1杯にも5ドル(600円)払おうとするだろう」。

コーヒー店やヘアサロンが数多く出店している場所でも、こうした複合店舗がカフェや酒販売の免許を取得したうえで出現し続けている。

今年3月、ブルックリンにオープンしたコッター・バーバーは、エスプレッソマシンの「ラ・マルゾッコ」を古い木のカウンターの上に備え、その奥にアンティークの理髪用の椅子を4脚置いている(同店の店構えは顧客の性別を問わないようなものだが、実際に来店するのは大半が男性だ)。

フェロー・バーバーのウィリアムズバーグ店では、2月にコーヒーサービスを導入した。両店とも、大量生産でない職人的なコーヒー店から豆を仕入れている(サンフランシスコの「フォー・バレル・コーヒー」と、メイン州ポートランドの「タンデム・コーヒー」)。

次ページなぜ理髪店に人が戻るようになったのか
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT