準大手ゼネコンのフジタは業績順調、上場廃止後のリストラ策も奏功
準大手ゼネコンのフジタ(非上場)は、6月までの今第1四半期(4~6月期)で物流施設など建築が順調で、前年同期を上回る受注実績を残したもようだ。今2012年3月期の連結営業利益は、前期42億円強から64億円へと50・7%増加するとの強気の見通しを立てており、達成に向け好スタートを切った。
今期の建設受注高は2300億円で、前々期からの底ばいが続くとの厳しい見通しだったが、これも被災地での大型復旧工事も加わり、好転が見込まれる状況だ。
売上高は、前期までに受注した学校や病院など官庁関連や、物流施設など民間の繰越工事を順調に消化して、前期に比べて18・1%(436億円)増加の2850億円を見込む。海外は、大手が苦戦する中国国内が柱で、昨夏の駐在員を当局が一時拘束した影響は本業に出なかった。
利益貢献はないものの、建設売上高は年間約200億円に到達。同業他社が及び腰の一方で、現地進出日系企業中心に、環境浄化など差別化技術で拡大貢献を狙う。
同社は、ゴールドマンサックス証券の経営参加を受けた4年後の09年に上場廃止となって以降、人員や退職給付制度など組織の大幅なリストラや、思い切った貸倒引当計上など財務・経理のリストラを続行。販管費や営業外費用の削減が年々進んでおり、官民の建設投資抑制で受注高が縮減したなかで経費の抜本見直し策が奏功。本体は無借金という財務改善が光る。
09年3月期は不良資産処理で129億円の特損を計上し95億円の最終赤字に転落したが、前期は2期連続で32億円台の最終黒字を記録するなど期間損益は安定軌道に乗った。