マツキヨや佐川も導入「謎の軽バン」ASFの正体 日本の企業が中国で作る「ファブレス」の果実
そのASF2.0、私はほとんど予備知識なしで試乗した。全長3395mm×全幅1475mm×全高1950mmの外寸は、たとえば三菱「ミニキャブ バン」と比較すると全長と全幅は同一で、全高が55mm高い。どこから見ても、街中で見かける軽ワンボックス(黄色いナンバープレートだし)。
ただ、グリル開口部を(あえて?)小さく見せるなど、デザイン的には手が入っている。充電ソケット用のリッドがあるのもフロントだし、LEDを使った灯火類なども、そう意識してみればEV的というべきか、新しさを感じさせる意匠といえる。
運転席まわりはEV的ではない。というか、いたって普通。軽ワンボックスに慣れている人なら、まったく違和感なく操縦できるだろう。センターディスプレイは、GoogleのAndroid OSで動いている。ただし、発語によって各種操作ができるような機能はない。
いい意味での“普通さ”は、2つ並んだフロントシートの背後、つまり荷室部分についてもいえる。実用性が高いのだ。荷室にはビールケースなら33ケース、みかん箱なら68箱、搭載できるそうだ。
大きなテールゲートを開くと、開口部の高さは1150mm、幅は1160mm。スライドドアを開いたときの開口部幅は750mm。荷室床面の地上高は、床下に駆動用バッテリーを搭載しているものの、660mmに抑えられているし、フロアはフルフラットなので使い勝手はよさそう。
マツキヨ、佐川、オートバックスが導入
契約大手として、「マツキヨココカラ&カンパニーや佐川急便がある」とASFの広報担当者は教えてくれた。配送で使われているため、街中で見たことがある人もいるだろう。
東京ではほかに、オートバックスセブン(東京都江東区)などのサービス拠点で使われる。
なお、オートバックスセブンは2023年12月にASF社への出資も発表。「当社は新興EVメーカーにとって車両販売後のアフターサポート網構築が参入障壁となっていると捉えています」とプレスリリースに記したうえで「国内EV市場の活性化と、EV普及の促進に寄与してまいります」としている。
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