「日経平均の最高値更新」は新たな相場の始まりだ 「3万8915円超え」の後はどうすればいいのか

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しかもこの新しい相場は、「史上最高値」という目標値があったこれまでの相場と違い、目標値(天井)が見えない相場だ。つまり、投資家はとにかくこの相場にふるい落とされぬように、最後まで(筆者の予想では、バブル発生時まで)ついて行くことが最も重要だ。

だが、日本の投資家は短期志向が根強いうえ、平成バブル崩壊後、あれだけ期待された2013年以降のアベノミクス相場でさえ2年半で当時の高値をつけた経験から、「株は長期で持つものではない」という習性が身についてしまっている。そんな日本の投資家には、「バイ・アンド・ホールド投資法」は極めて難しいことだ。

「移動平均乖離売買法」による売買が今後も有効

そこで、この相場に乗れない投資家や、せっかく買っても上昇過程で売ってしまい、持ち株がどんどん減ってしまっている投資家には、本欄で前々回の「今から日本株を買いたい人に勧める3つの投資法」と前回の「日経平均3万6000円台でも『買い』で問題ないワケ」の2度にわたって提案してきた。

詳しくはぜひそちらをお読みいただきたいが、ひとことで言えば、「日経平均と25日移動平均線との乖離率が+7%以上なら売ってもいいが、+5%を下回ったら買い戻す」という戦略だ。

この「移動平均乖離売買法」は、上げ下げを判定するものでも、あとからこじつけた整合性の法則でもない。「7%の乖離率を物差しとする売買法」は昔から使われてきた一般的な方法で、この大相場に最後までついて行くための「稚拙だが確実な策」との筆者の思いから提案したまでのことである。

事実、今年に入っての急騰局面で、日経平均が25日移動平均線から+7%超の乖離となったのは1月15日と22日の2日だけで、その後は数少ない連続安で+5%を下回った。「+7%」で売り、「+5%」を下回ったところで再び買っていれば、持ち株を減らさずに済んだわけだ。

ここで重要なことは、この売りシグナルが出た両日の引け値は3万5901円と3万6546円だったということだ。では、先週末16日の約34年ぶりの高値3万8487円の乖離率はどうだったか。答えは+5.67%であり、「売りシグナルは出ていない」ということだ。

株価水準が高いところでもなかなか売りシグナルが出ないという、テクニカル手法としては難しい売買法になるかもしれないが、これならば上昇局面で売りたくなる投資家でも、ある程度相場について行けるはずだ。

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