【インドネシア】
東南アジア最大の経済大国、インドネシアの針路を決める今回の大統領選の有権者は約2億人に上る。次期大統領は2045年までの1人当たりGDP倍増や、新首都建設に向けた海外からの資金呼び込みなど大規模な計画を推進する責任を持つ。ジョコ現大統領の長男、ギブラン氏は3度目の大統領選に挑むプラボウォ国防相の副大統領候補に選ばれた。
プラボウォ氏は中ジャワ州知事を務めたガンジャル氏、ジャカルタ特別州の知事経験者アニス氏と次期大統領の座を争う。世論調査ではプラボウォ氏が優勢で、ギブラン氏を副大統領候補に選んだ効果が表れているようだ。
インドネシアにとって、米国と中国の間で対立することが多い利害のバランスを取ることが最大の課題の一つとなる。また、労働者の技能向上に加え、クリーンエネルギーへの移行中に石炭やパーム油、銅、木材など豊富な資源を管理することも主な課題だ。
選挙結果の潜在的影響
ブルームバーグ・エコノミクスのタマラ・マスト・ヘンダーソン氏によると、インドネシアの貸し出しの伸びはコロナ禍前の10年間に記録していた中央値である12%を下回り、安定化の兆しを示している。インドネシア中銀は24年に与信の伸びが加速すると予測しているが、今年前半を中心にそうした持ち直しは難しいかもしれない。ヘンダーソン氏は最近のリポートで、消費者借り入れも鈍りつつあると指摘した。