解散・総選挙戦略に自ら振り回され低支持率にあえぐ岸田政権。政権のブレは所得税減税でも明白だ。

政権運営で難局が続く岸田文雄首相(左から2人目)。1月3日、能登半島地震の非常災害対策本部で撮影(写真:時事)
新しい年が始まった。能登半島地震や羽田空港での航空機衝突事故など年初から大きなニュースが相次ぐ。政治の世界では「裏金疑惑」という激震が続く中、岸田文雄首相は今年も厳しい政権運営を強いられそうだ。
ただ、乾坤一擲で仕掛けた衆議院の解散・総選挙戦略に自らが振り回され、支持率を下げている構図も見えてくる。それは、「1人4万円」の所得税減税の立案プロセスを検証すると、よくわかる。
昨年9月末から10月初めにかけてのことだった。官邸と財務省の間で緊迫したやり取りが続けられていた。秘密裏に検討されていた「経済対策」をめぐってだ。
この直前、首相に1枚の紙が提示されていた。作成したのは側近の木原誠二前官房副長官だったといわれている。そこに「当面実施するべき政策」として記されていたのは、4つのアイデアだった。
ガソリン税や消費税の減税も候補に
「トリガー」
「給付金の実施」
「所得税減税」
「消費税減税」
いずれも国民に向けた「甘い水」。これらの政策を単独か、組み合わせで実施していこうというわけだ。
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