スケボー型シャシーの開発では、標準化された(決まった大きさの)シャシー内に、いかに大容量の電池を組み込むかが課題だった。現在主流の車載電池は、多数の電池セルをひとまとめにした電池モジュールを基本とし、複数の電池モジュールと冷却機構、制御システムなどを組み合わせた電池パックに仕立ててシャシーに搭載している。
この方式はスペース効率が低く、スケボー型シャシーではEVの航続距離を伸ばすのが難しい。そこでCATLは、「セル・トゥ・シャシー(CTC)」と呼ばれる最新技術を採用することで問題を克服した。CTCは電池モジュールと電池パックを廃止し、電池セルをシャシーに直接組み込む方式のことで、限られたスペースにより多くの電池セルを詰め込める。
第1号モデルは哪吒汽車から
CATLの呉氏によれば、2024年7~9月期に量産を始めるスケボー型シャシーを最初に採用するのは、中国の新興EVメーカーの哪吒汽車(ネタ)になる可能性が高い。CATLと哪吒汽車は2023年1月、スケボー型シャシー(の応用)に関する提携に合意済みで、第1号モデルは2024年末に発売される見込みだ。
とはいえ、中国の自動車業界内にはスケボー型シャシーに対して否定的な見方も少なくない。財新記者の取材に応じた乗用車メーカーの技術責任者からは、次のような懸念の声が聞かれた。
「車体の上部と下部を分離した設計では、クルマの衝突安全性の確保が構造的に難しくなる。また、電池をシャシー内部に集中配置すると、電池の(交換や修理などの)メンテナンスの難度が上がってしまう」
(財新記者:安麗敏)
※原文の配信は11月30日
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