新幹線と在来線特急「自由席・指定席」めぐる歴史 年末年始「のぞみ」全席指定化は必然だった?

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その後、全席指定の特急は、停車駅が少ない速達列車タイプ(「はやて」「はやぶさ」)、観光列車タイプ(「ゆふいんの森」「日光」など)に増えていく。

そんな全席指定の流れが加速したのが2015年1月号。「スワローあかぎ」の登場でJR東日本に全席指定の特急が増えていく。2016年1月号で北陸新幹線の「かがやき」、常磐線の「ひたち」「ときわ」。2020年1月号で中央本線の「あずさ」、「かいじ」、「富士回遊」、「はちおうじ」、「おうめ」と、全席指定の特急が続々登場。2021年1月号では「踊り子」、「湘南」といったJR東日本の特急だけでなくJR西日本「びわこエクスプレス」、「はまかぜ」も全席指定となっていた。

2024年春のダイヤ改正後、毎日昼間に運転される全席指定の新幹線は「はやぶさ」、「はやて」、「こまち」、「つばさ」、「かがやき」となる。特急は「おおぞら」、「とかち」、「北斗」、「すずらん」、「ひたち」、「ときわ」、「しおさい」、「わかしお」、「さざなみ」、「あずさ」、「かいじ」、「日光」、「きぬがわ」、「富士回遊」、「はちおうじ」、「おうめ」、「草津・四万」、「あかぎ」、「踊り子」、「湘南」、「ふじさん」、「びわこエクスプレス」、「くろしお」、「きのさき」、「まいづる」、「こうのとり」、「はしだて」、「はまかぜ」、「ゆふいんの森」だ。

ネット販売普及も全席指定を後押し

昔は指定席の数を増やすと指定席を販売する窓口の人員や発券機を増やさなければならずコスト増の要因となったが、現在はネット販売が整備され負担が軽減された。これも全席指定の特急が増えた一因だろう。

大手私鉄でも座席指定制の列車が増え、特急列車に「早く着く」だけでなく「確実に座れる」という需要が伸びている。手軽に予約できるシステムがあり、座りたい人が増えている。となると、近い将来、国鉄時代のようにすべての特急が全席指定になるかもしれない。

渡辺 雅史 時刻表探検家

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わたなべ まさし / Masashi Watanabe

1975年生まれ。フリーライターとして、週刊誌や月刊誌で記事を執筆するほか、テレビやラジオ番組の構成にも携わる。2009年、国内の鉄道に完乗。時刻表の誌面に載っている"変な列車"や"味のある列車"を探すことをライフワークとしている。

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