日本PTA全国協議会・後藤会長「今のままではいけない」と改革に意欲示す 前会長はハラスメントなどを理由に電撃解職
日Pとしては、今回の一連の出来事を真摯に受け止め、会員である各P連に対してていねいな説明を行うとともに、再発防止に向け組織のガバナンス強化、ハラスメント対策に努めてまいりたいと思います。
──こちらの会見では、2022年度の決算が約5000万円の赤字となることも公表されました。
昨年から今年にかけ、約5000万円の赤字決算を出しお騒がせしてしまいましたが、ひとえに私どもで財務管理がしっかりできていなかった部分があります。5000万円のうちの3000万円は、国内研修の実施や宿泊費と会議費等、日P新聞の発行を年2回から3回に増やしたことによる印刷製本費になります。残り2000万円は、日P会館の雨漏りなどによる修繕工事を急遽行ったことによる建物修繕費ですが、これまで建物の修繕に関するルールなどが整備されていなかったため、決裁の過程に課題があったと認識しています。
今後は、修繕工事におけるルールづくりなど組織のガバナンスを強化していきたいと考えています。また、日P役員には監事もおりますが、予算の出庫状況をよりしっかり管理することを目的に財務のワーキンググループを新たに立ち上げ、専門職種の方にお力添えをいただきながら状況を把握し、各P連代表の皆さんに逐次説明していく所存です。また人材育成にも力を入れていく予定で、日本の社会教育に携わる団体である日Pとして理事や役員、P連代表者としての行動規範を含めた倫理規定の整備にも着手しています。
──こうした取り組みを進めていくうえで、事務局の果たす役割は大きいと考えますが、事務局長不在の状態は現在も続いているのでしょうか。
もともと事務局長は在籍していたのですが、2020年3月31日付で退職されました。同時期に事務員も退職し、派遣社員の契約延長もかなわず事務局不在の時期もありました。
その後、2022年年4月1日付で期間社員を採用し、その後正式採用。2023年10月1日付で、元公立中学校校長の田中史人さんが事務局長に就任しました。現在は、局長以下非常勤も含め、全5名体制で業務にあたっています。
PTAの全国組織として発足した日Pは、今年創立75周年を迎えます。75周年記念事業として、教育コンテンツの拡充や、各校PTA会員さん向けのサービスなど活動の間口を広められるような取り組みについて、現在検討しているところです。
公益社団法人の理事任期は2年、理事のうち業務執行理事の任期は原則1年と、PTAと同様に短く、知識やノウハウの蓄積が難しいのが現状ですが、可能な限り持続可能な形で活動の質を保ちつつ、子どもたちの未来に責任を持てる社会を創るべく全国の会員の皆様とともに歩んでまいりたいと思います。
予算規模が予算規模なだけに、前例踏襲に甘んじることなく、全国大会の企画・運営等の事業のみならず全国の保護者の声を束ね、文部科学省への集約的提言など、今本当に求められるものに向き合って改革を進めてほしい。
また、各校のPTA会員も、日Pはもちろん、自分の住む地域のP連や都道府県P連がどのような目的でどのような活動を行っているのか、負担金がどのように使われているのか、上部団体が説明責任を果たしているかに関心を持ち、疑問に思うこと、おかしいと思うことがあれば声を上げることが大切だ。
(写真:今井康一撮影)
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