ソニーはなぜハッカーに狙われたのか、「アノニマス」の正体

ソニーはなぜハッカーに狙われたのか、「アノニマス」の正体

「ソニーよ、おめでとう。君たちはこれからアノニマスの憤怒を身に受ける。蜂の巣をつついたような猛攻撃を目の当たりにする。君たちの行動が招いた結果に直面するのだ」

国際的な匿名ハッカー集団「アノニマス」が4月3日、ブログでソニーに対して宣戦布告した。

実際、宣戦布告どおりに翌日からソニーのインターネット配信サービス「プレイステーション・ネットワーク(PSN)」は断続的に接続不能に陥る。アノニマスがPSNのサーバーに対しDDoS(分散型サービス拒否)攻撃を行ったためだ。無数のパソコンから一斉に接続要求を送信してサーバーに負荷を与え、ダウンさせる攻撃で、不特定多数かつ次々と入れ替わる攻撃元を特定することは至難だ。この厄介だが単純な攻撃からしばらく経って、本当の惨事が始まった。

4月19日、午後4時15分。PSNを運営する米国法人ソニー・ネットワークエンタテインメント(SNEA)のスタッフは、130台あるサーバーの一部が再起動を繰り返すという異状に気づく。外部から何者かが不正にアクセスし、名前、住所、メールアドレスなど7000万件超の個人情報を盗み出していたのだ。別の米国法人も含めれば、グループ全体で1億件超の個人情報が流出した、と伝えられている。

ソニー側は欠陥改善プログラム(パッチ)の導入を怠り、システムに脆弱性を残していた。この点については管理責任を免れない。

ただ、ソニーを責めれば済む話ではない。多くのネチズン(ネット市民)が注視する中、巨大ハイテク企業が攻撃された背景を理解しなければ、この事件の本質を見逃す。

きっかけはハッカー提訴 烏合の衆が標的を決める

宣戦布告した当のアノニマスは、ブログや動画配信サイトで複数回にわたり「DDoS攻撃はやったが、流出には関与していない」と疑いを否定している。その一方で、「われわれの“参加者”が個々に行動した可能性はある」ともほのめかす。玉虫色の言葉の意味は、事件を端緒からたどれば見えてくる。

事の起こりは今年1月上旬。米国のカリスマハッカーであるジョージ・ホッツ氏が、プレイステーション3(PS3)を改造し自作ソフトを動かせるソフト「ルートキー」をウェブ上で公表した。

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