東大合格率80%以上、入塾試験も序列もない英語専門塾「平岡塾」の中身 「お帰り問題」で手厚くフォロー、飲食も自由

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【お帰り問題】
授業内容に関わる暗唱や書き取り、単語テストなどを行い、生徒は全問正解するまで帰れない。「講師はどこが間違っているかは指摘しますが、正解は教えません。授業についてこられなかった生徒が残ることになるので、講師が1対1でフォローできます。中1と中2を乗り越えれば、中3以降の学習はほぼ順調に進められるので、最初の2年間はとくに一人ひとりの状況に気を配っています」

クラスやテストで序列化せず、問いを共有し学び合う場に

塾は人間教育の場でもあるという観点から、高2までは学力別のクラス編成は行わず、生徒に序列をつけない点も平岡塾の特色だ。

「序列化すると、真の理解よりも『丸』が欲しくなってしまいます。しかし、生徒には皆で疑問を持ち、それを講師に問いかけてきてほしいのです。誰かの『わからない』を皆で考えてみることは、自分に足りないものに気づくきっかけにもなります。気軽に『わからない』と言える状況がいかに生産的か。これは競わされることがないからこそだと思います。できる子ほど素直にどんどん質問するので、その様子に周りも影響を受けるようです」

生徒は講師のほうを向いて座るのではなく、生徒同士が向き合うように座る。授業中に意見を出し合う時間も長く、互いに感化されて影響を与え合っているという
(撮影:梅谷秀司)

高2までは、基本的に各曜日のクラスや担当講師は持ち上がりのため、最大5年間、同じ仲間や講師と学ぶことになる。卒業生の合格体験記には担当講師の名前を記して感謝を述べたものも多く、生徒と講師の距離の近さがうかがえる。

「序列のない環境で学んできた生徒たちは、大学の合格実績だけが人生の価値基準ではないことを知っています。それゆえに塾の仲間や講師と過ごす時間は心のオアシスのように感じるようで、入試直前期も『ここに来ると気持ちが楽になる』と話す生徒が少なくありません。当塾に愛着を持つ卒業生は多く、大学入学後に講師として後輩をサポートしてくれるケースもあります」

今井氏自身も、自らが通塾していた頃を振り返りつつ、「平岡塾は昔も今も『できない』ことを許容してくれる塾」だと話す。「講師からは『1回でわからなくていいんだよ』という姿勢がにじみ出ています。大学受験の先を見据えた授業を展開する中で、わからないことはわからないと堂々と言える雰囲気があり、むしろ講師と生徒が一緒に考えながら学び成長することができる。これが平岡塾らしさだと思います」

(文:安永美穂、注記のない写真:今井氏提供)

東洋経済education × ICT編集部

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小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。

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