東大合格率80%以上、入塾試験も序列もない英語専門塾「平岡塾」の中身 「お帰り問題」で手厚くフォロー、飲食も自由
デカルト哲学の原典精読を経て「大学入試が簡単に見える」

(撮影:梅谷秀司)
大学受験を意識しない平岡塾のカリキュラムは、本来は中1から高2まで。文法、英作文、ネイティブによるリスニングやスピーキングに加えて、読解では中1で『ドン・キホーテ』、中2で『八十日間世界一周』、高校生ではデカルトやラッセルなどの哲学書やオーウェルの文学作品などの原典精読にも取り組む。文章レベルは、実に中3で大学入試相当、高1で扱うデカルトの哲学書は大学入試よりも高難度とされ、大学講義レベルだという。なお、入塾のタイミングは中1が多いというが、高校から入塾した生徒には別のクラスが用意され、高2までに文法の基礎を固められるようになっている。
一方で、受験対策のニーズに応じるべく設置されたのが高3の大学入試特別対策クラスだ。クラス分けテストの結果に応じて、各クラスの講師が構成した入試対策に取り組む。講師もこのクラスでは気持ちを切り替え、実際の出題を通して入試におけるポイントをふんだんに伝えるというが、生徒は高3まで受験対策がないことを不安に感じないのだろうか。
「早期に文法を理解し、ルールに沿って英語を正確に読めるようになっていれば、結果的に入試にも十分対応できます。生徒はすでに高1・高2で原典精読を経験していますから、入試の長文を読むと毎年『簡単に見える』と言いますよ。中学から在籍した場合、高1で英検準1級、高2で大学入試に対応できる英語力が身に付くので、高3は志望大学の傾向対策をするだけという生徒が多いです」

(撮影:梅谷秀司)
正解するまで帰れない「お帰り問題」で個別フォロー
平岡塾の授業は週1回、休憩も含めて中1でも3時間前後、高校生では17時から22時までの5時間近くに及ぶこともある。授業中の飲食は認められており、生徒たちは自由な雰囲気の中で学んでいるそうだ。
授業の流れは、おおむね下記のとおりだという。
【ネイティブ講師のレッスン】(30~40分。時間帯はクラスにより異なる)
発音練習、ジャズ音楽のリズムに合わせた会話フレーズの合唱、読解教材の内容について英語で質疑応答などを行う。最初の2年間は日本人講師による通訳が入る。
【宿題の答え合わせと解説】
「英語は器楽やスポーツと同様に毎日の練習が重要」という考えに基づき、1日30分は英語に触れる目的で、毎週3~4時間程度の宿題が出される。「授業中に1人ずつ当てて答え合わせをしますが、大いに間違えてもらって構いません。むしろ、どんな考え方をして間違えたのかをたどることが大切で、適宜オリジナルプリントの該当箇所に立ち返りながら『この答えが正しい理由』を丁寧に解説します」
【文法の説明】
オリジナルプリントで文法事項を体系立てて学ぶ。プリントは各自ファイリングし自由に書き込みながら高3まで使用する。