日立機材は宮城県東松島市の遊休地を応急仮設住宅用地に無償提供、震災関連需要は早くて今年終盤から【震災関連速報】

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日立機材は宮城県東松島市の遊休地を応急仮設住宅用地に無償提供、震災関連需要は早くて今年終盤から【震災関連速報】

日立機材は、甚大な大津波の被害に遭った宮城県東松島市の要請を受けて、矢本工業団地内にある遊休地(約6万平方メートル)を応急仮設住宅の建設用地として無償提供する。東松島市によると、隣接地ではコマツが提供した土地で377戸分の仮設住宅が建設中で、5月2日に被災者が入居。これに続いて、日立機材の提供分についても、5月中旬着工をメドに200戸を建設する。

矢本工業団地は、三陸自動車道のインターチェンジから約5分の高台にある造成地。道路を挟んで新興住宅街が整備されており、大塩小学校や大塩保育園など、医療・教育環境にも恵まれている。「3月20日に東松島市の商工観光課から電話がきて、支援することにした」(日立機材経営企画室)。同社は20年前に工場と物流拠点の建設を目的に、ここの土地を取得したが、これが頓挫して以降は、遊休地として保有していた。

なお、同社の主力製品に対する震災関連の注文状況については、「設計事務所やゼネコンで油圧制震ダンパや省エネ効果のある床吹き出し空調に対する関心が高まる兆しはある。それでも実際の受注につながるには時間がかかりそうだ。日本製紙石巻や新日鉄釜石で被害を受けた産業用チェーンの付け替え需要を含めて、収益に反映するのは、今年終盤から来年にかけて」(同)という。

会社は25日に前2011年3月期決算を発表したが、今12年3月期については、「現段階において合理的な予想の算定が困難」という理由で計画を開示していない。ただ、12年度までの中期経営計画では、今期目標数値は売上高243億円、営業利益19.9億円となっている。

「東洋経済オンライン」では、震災による設備の損傷などマイナス要因はなく、データーセンター用フロア材という業績牽引要因があることから、今期は連続増益基調の予想とする。ただ、中期経営計画の数値の達成は、震災後の工事中止や中断による納入遅れや、資材高の影響で高ハードルとなりそうだ。一方、来13年3月期は、震災関連需要が増え、大幅増収が見込まれる。
 

(古庄 英一 =東洋経済オンライン)


《東洋経済・最新業績予想》
(百万円)    売 上  営業利益 経常利益  当期利益
連本2011.03  21,871 1,754 1,780 1,130
連本2012.03予 24,000 1,900 1,900 1,150
連本2013.03予 26,500 2,100 2,100 1,250
連中2010.09  9,698 645 679 405
連中2011.09予 10,700 790 790 470
-----------------------------------------------------------
         1株益¥ 1株配¥
連本2011.03  61.7 15 
連本2012.03予 62.8 15-20 
連本2013.03予 68.3 15-20 
連中2010.09  22.2 7.5 
連中2011.09予 25.7 7.5 
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