伊勢丹は、なぜ5月に夏物セールをやるのか 新宿店が6日間のセールで7億円販売!

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伊勢丹の紳士向け商品といえば、メンズ館で展開されているような、高品質で最新の流行を取り入れたファッションがイメージされる。

「紳士ファッション大市」では、そうした高級・最旬アイテムも並ぶが、比較的値段を抑えたベーシックな商品もそろう。幅広いグレードの品物から、顧客は自分に合ったものを選ぶことができる。

大市用のオリジナル商品も展開

価格は抑えても、「格好良さ」を重視する方針はメンズ館と変わらず

メンズ館で売られているアイテムが、たとえば複数のサイズで欠品を起こして陳列が難しくなった場合、割り引きされて大市に移ることもある。ただ期間中は基本的に大市と伊勢丹メンズ館で別の商品が展開される。

大市のために特別に仕入れるものや、オリジナル商品の開発も行われている。短期間で大量販売が可能なため、価格を安くすることができる。元値から30%オフが基本だが、半額の場合も。

人気は「よりどり2点スーツ」。2着で2万7000円、3万7800円、5万4000円などのラインナップが用意されている。会期中の販売量はケタ違いで、スーツは6日間で約6000着が売り切れるという。

大市が最も賑わうのは週末だが、平日にも仕事の合間を縫って訪れたと思われるスーツ姿の男性の姿を見かけることができる。また、女性による代理購買も多いという。

近年は、消費者の購買パターンも多様化しており、新鮮味のない従来のクリアランスセールはかつての訴求力を失っている。多彩な仕掛けで、顧客ニーズを探る百貨店の模索は続きそうだ。

藤尾 明彦 東洋経済 記者

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ふじお あきひこ / Akihiko Fujio

『週刊東洋経済』、『会社四季報オンライン』、『会社四季報』等の編集を経て、現在『東洋経済オンライン』編集部。健康オタクでランニングが趣味。心身統一合気道初段。

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