「マーガリンは危険」と思い込む人が知らない真実 日本での「トランス脂肪酸」摂取量は実は少ない
ようやく1990年代となり、トランス脂肪酸が健康に悪いことが科学的に確からしくなり、2000年代にはようやくトランス脂肪酸の含有量表示が義務付けられることになりました。
この頃には、「トランス脂肪酸=健康に悪い」ということが一般にも広く知れ渡り、アメリカの食品からはかなり減っていくこととなりました。現在でも厳密に禁止されているわけではないのですが、事実上ほとんどトランス脂肪酸は使われなくなったのです。
こんなことを聞くと、マーガリンを避けたくなる気持ちもわかります。でももう少し踏み込んでみていきましょう。
日本でもほとんどトランス脂肪酸は使われていない
厚生労働省が「無知だから」トランス脂肪酸を(アメリカほど厳密に)制限していないわけではありません。当然熟知していながら、業界とのバランスをとりながら政策決定しています。事実として、日本の食品でのトランス脂肪酸の割合は、今や非常に低いものとなっています。
マーガリンといっても、数々の脂肪成分から作られており、トランス脂肪酸の割合は7%程度と報告されています。日本人のトランス脂肪酸摂取量は世界の中でも低く、総エネルギーの0.3%程度です(1%未満とすることがWHOに推奨されています)。
そもそも、アメリカで厳密な制限に至ったエビデンスは、非常に多量のトランス脂肪酸を摂取していたアメリカ人のデータに基づいています。そもそもアメリカ人の多くはハンバーガーとポテトばかり食べており、その原材料(例えば油)の摂取量は桁違いです。 日本でもパンやポテトを食べる人は多いですが、その摂取量は比になりません。
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