日経平均株価、今年最大の下げ幅に 米GDPなど嫌気、連休後一段安も

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 4月30日、東京株式市場で日経平均は大幅反落。下げ幅は今年最大となった。市場の予想を下回った1━3月期米国内総生産(GDP)を受け、米景気の先行きに対する懸念が広がった。都内で1月撮影(2015年 ロイター/Issei Kato)

[東京 30日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は大幅反落。下げ幅は今年最大となった。市場の予想を下回った1━3月期米国内総生産(GDP)を受け、米景気の先行きに対する懸念が広がった。さらに日銀が金融政策の現状維持を決定した後、短期筋とみられる一部の失望売りが出たことで、後場に下げ幅を拡大した。東証1部の売買代金は今年2番目の大きさとなった。

29日の欧米株安を嫌気し、東京市場では売りが先行。独10年債<DE10YT=TWEB>利回りが急上昇したほか、米国では10年債利回りが2%台に乗せたことなども背景に、「緩和マネーの巻き戻しが意識されている」(国内証券)との指摘があった。月末・大型連休前ということも重なり、ポジション調整が強まる形にもなった。

日経平均は寄り付きで2万円を割り込むと安値圏で推移。さらに日銀が金融政策の現状維持を決定したと伝わるとさらに軟化し、下げ幅は一時550円を超えた。「日銀追加緩和の思惑で買いポジションを積み上げていたヘッジファンドから売りが出た」(準大手証券)という。

主力株は総じて軟調。情報通信、食料品など内需関連の下げがきつく、東証1部全体の77%の銘柄が下落した。ただ前週、追加緩和の思惑で上昇したとされる銀行株は大引けにかけて下げ渋り、三菱UFJ<8306.T>は小幅ながらプラス圏で取引を終えた。

市場からは「3、4月の日本株のパフォーマンスが良かっただけに、連休後、国内企業の決算発表が一段落したら、機関投資家が利益確定売りに動くことも見込まれる」(内藤証券・投資調査部長の田部井美彦氏)として、軟調な地合いが続く可能性を指摘する声もある。

個別銘柄ではTDK<6762.T>がしっかり。28日に2016年3月期の連結業績が増収増益となる見通しに加え、年間配当を30円の増配とする予想を発表し、好感された。市場予想を上回る今期営業利益予想を発表したパナソニック<6752.T>も買われた。

半面、オリエンタルランド<4661.T>が年初来安値。28日に16年3月期の連結売上高が前年比0.9%増の4703億円、営業利益は同4.1%減の1060億円となり、増収減益になるとの見通しを発表した。大型開発に伴い米ディズニー<DIS.N>に委託する費用などが発生。営業減益予想となる見通しが嫌気された。

29日、米国における2型糖尿病治療剤「アクトス」の製造物責任訴訟に関して和解に向け合意し、15年3月期の連結業績(国際会計基準)が1949年の上場以来初めて最終赤字となる見通しを発表した武田薬品工業<4502.T>も軟調となった。

東証1部騰落数は、値上がり337銘柄に対し、値下がりが1464銘柄、変わらずが81銘柄だった。

日経平均<.N225>

終値      19520.01 -538.94

寄り付き    19847.50

安値/高値   19502.61─19852.66

 

TOPIX<.TOPX>

終値       1592.79 -34.64

寄り付き     1612.58

安値/高値    1587.67─1613.60

 

東証出来高(万株) 271949

東証売買代金(億円) 34727.4

 

(長田善行)

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