中学受験の夏期講習、四谷大塚、早稲田アカデミー、日能研、SAPIXをどう選ぶ? 教育・受験指導専門家に聞く費用と活用方法

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各塾の差が出るのが、小学4年・小学5年の授業内容です。小学6年の夏期講習は、どの塾も小学6年の1学期の復習を中心とした小学4年以降の授業内容の総復習です。夏を終えて2学期から入試過去問演習を元にした本格的な受験対策に入っていくためです。

各塾の小学4年・小学5年の授業内容は「復習と新単元学習のミックス型」か「完全復習型」に分かれます。そこで、首都圏四大塾のそれぞれの小学4年・小学5年の授業内容の違いを具体的に解説していきましょう。

【四谷大塚・早稲田アカデミー】
四谷大塚・早稲田アカデミーの両塾はどちらも『予習シリーズ』という四谷大塚の教材を基に年間の授業スケジュールが作られています。そのため両塾は若干の違いはあれど、授業内容の大半は同じと考えてOKです。

四谷大塚・早稲田アカデミーの小学4年・小学5年の夏期講習は、「完全復習型」に近い「復習と新単元学習のミックス型」です。例えば、18日間の夏期講習のうち約2日間は、2学期の初回授業の先取りを行います。また、小学5年の社会では、2学期から始まる「歴史」を先取りした「歴史へのいざない(歴史上の人物/時代・年代の区別)」という導入授業があります。逆に言えば、それ以外は1学期の復習になるので、四谷大塚・早稲田アカデミーの夏期講習はほぼ復習型の「復習と新単元学習のミックス型」だと考えてよいでしょう。

【日能研】
日能研の小学4年・小学5年の夏期講習は「完全復習型」です。日能研公式Webサイトには次のように書かれています。

日能研の夏期講習では、夏期講習前までに学んだ「知識」や「考え方」を学び直します。初めて授業を受ける方にとっては、今までの日能研の学びを確認しながら進めることができます。日能研に通っている方は、もう一度学び直す中で、「知識」や「考え方」を“自分で”使っていくことで、さらに学びを深めていくことができます。
(日能研公式Webサイトより引用)

 

ただし、日能研には留意点があります。日能研は校舎ごとにいわゆる本部系と関東系に分かれていて、本部系は株式会社日能研、関東系は株式会社日能研関東が運営しています。どちらが運営しているかによって、校舎の運営方針が異なるのです。ちなみに、日能研公式Webサイトは本部系が運営しているので、掲載内容は本部系の指導方針に寄っています。本部系の校舎は「生徒の自主的な学びを育むこと」を重視する指導傾向にあり、一方で関東系の校舎は「合格させること」を重視する指導傾向にあり宿題も多いです。関東系の校舎の夏期講習は、1学期に学習した単元の復習であっても、応用・発展的な内容まで踏み込んだ授業になる可能性も少なくないでしょう。

【SAPIX(サピックス)】
SAPIXの小学4年・小学5年の夏期講習は「復習と新単元学習のミックス型」で、夏期講習で初めて習う単元が出てきます。算数を例に具体的に見てみましょう。

小学4年は夏期講習算数14コマのうち、以下の単元が新単元となります

● 平面図形(1)
● 平面図形(2)
● 立体図形(1)
● 立体図形(2)
● 立体図形(3)

 

小学5年は夏期講習算数14コマのうち、以下の単元が新単元となります。

● 2量の関係
● 比と割合(1)
● 比と割合(2)
● 比と割合(3)
● 比と割合(4)
● 比と図形
● 平均算
● 線対称・点対称
● 点の移動
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