塾講師が直伝する4つの「生徒のモチベーション管理術」の具体例とは? 子どもの学習効果を高める質問や声かけを解説

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塾や予備校では、入試までの生徒のモチベーション管理も重要なミッションだ。早稲田アカデミー、駿台、河合塾Wingsで授業に携わってきた教育・受験指導専門家の西村創氏は、「子どものモチベーションは工夫次第で高めることができる」と話す。モチベーションが高まり主体的に学ぶようになれば、今後の入試で求められる「思考力」や学習効果の向上も期待できるそうだ。西村氏に、子どものモチベーションを上げる具体的な方法を教えてもらった。

モチベーション管理が最優先である理由

●中学入試から大学入試まで主体的な学びが不可欠

西村創(にしむら・はじめ)
教育・受験指導専門家
早稲田アカデミー、駿台、河合塾Wings、栄光ゼミナール、明光義塾などで25年以上の指導歴がある。
(写真は本人提供)

中学入試、高校入試、大学入試に共通して求められる力とはどんな力でしょうか?それは「思考力」です。「これからは知識よりも思考力が求められる」ということは教育・受験業界で30年以上前から言われていますが、昨今の入試ではとくに「思考力」が求められる傾向が顕著になっています。

では、そのような「思考力」は何によって身に付くのでしょうか? 答えは、子ども自身が主体的に学ぶ姿勢です。知識は、授業を受ける・テキストの情報を頭に入れるなど受け身の姿勢でも身に付きます。親世代が受けていた昭和のスパルタ式指導は、知識が多いほど有利になる受験では有効でしたが、「思考力」においては身に付くどころか逆効果になります。子どもは強制されればされるほど、わかったふりをしたり丸暗記に走ったりして、自分の頭で考えることを放棄するからです。

「思考力」を育てるには、子ども自身が学びたい気持ちになって、主体的に学ぶことが不可欠です。なぜなら「思考力」は人から与えられるものではなく、自分自身で発想を広げて、考えを深める中で養われていくからです。ということは、教育や受験指導において最優先すべきなのは、子どもの学びに対するモチベーションを高めることだといえます。

●学習効果はモチベーションによって大きく変わる

これを知る者はこれを好む者に如(し)かず

これを好む者はこれを楽しむ者に如(し)かず。

という一節は、教育に携わる人であれば、なじみがあるのではないでしょうか。「物事を知っている者は、それを好んでいる人には及ばない。物事を好んでいる人は、それを心から楽しんでいる者には及ばない」という『論語』の言葉です。

親子で同じゲームをすると、あっという間に子どものほうがうまくなって、いつの間にか子どもにはかなわなくなってしまった経験がある方も多いのではないでしょうか。学習効果は楽しいと思って取り組むほど高くなりますが、とくに子どもの場合はその傾向が強いのです。子どもがゲームに夢中になるように、勉強にも面白さを味わわせることができれば、子どもの思考力は育っていきます

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