塾講師が直伝する4つの「生徒のモチベーション管理術」の具体例とは? 子どもの学習効果を高める質問や声かけを解説

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(画像: pearlinheart / PIXTA)

ほかにも例えば、「今日いちばん長く自習室で勉強していたのは○○(生徒の名前)だね」とか、「最近ずっと休まず塾に来られているよね」など、ちょっとしたことでも気づきを言葉で投げかけることで、子どもは自分が認められた気持ちになり、それがモチベーションになります。認められてうれしいのは、大人も子どもも同じですね。

さらに、その場にいない第三者の言葉を伝えるのもモチベーションアップに有効です。本人がいないところで同僚の講師がその子のことを褒めていたら、「この前○○先生が、『○○(生徒の名前)は成長する』って言っていたよ」と伝えてあげると、子どもは直接褒められるよりもさらにうれしくなってやる気を出します。

④勉強のハードルを極限まで下げる

なかなか行動に移せない子には、行動に移すハードルを極限まで下げてあげる声かけが有効です。例えば、「今から5分だけ集中して取り組んでみようか」などです。実は、心の底から勉強したくないと思っている子はまれです。大抵はそこまで勉強嫌いではなく、ただ何となく今は気乗りしない、面倒くさい、というのが理由なのです。

勉強がおっくうに感じるのは、「今からまとまった時間、勉強しないといけない」と心理的ハードルが高くなっているからです。そこで、勉強時間を極端に短くして、とにかく勉強を始めるように仕向けてください。1時間だと気乗りしない子も、5分間であれば勉強できるはずです。5分も勉強する気になれないなら1分でもOKです。とにかく始めさえすれば、意外と勉強し続けるものです。勉強し始めることで、脳の側坐核という部位領域が刺激されて、作業興奮という状態に入るからです。「とりあえず今から5分だけ勉強しようか」と声をかけて、キッチンタイマーなどでカウントダウンをすれば、時間制限による「締め切り効果」も得られるので、大抵の子どもは勉強を始めます。実際に、5分経ってタイマーが鳴ると「先生、あともうちょっとだけ!」と、逆に時間延長を頼んでくる生徒も少なくありません。

学習指導は子どものモチベーション管理から始まります。そして、子どものモチベーションは工夫次第で高めることができます。今回紹介したモチベーション管理術を試して、一緒に子どもたちの学習効果を高めていきましょう。

(注記のない写真:Fast&Slow / PIXTA)

執筆:教育・受験指導専門家 西村 創
東洋経済education × ICT編集部

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小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。

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