小学校受験の魅力と人気校の特徴、アフタースクール充実などで共働きも増加 小学校受験2023、入試動向や合格のポイント

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コロナ禍の対応がきっかけで志願者が増加した小学校受験が、相変わらず堅調だ。手堅い伝統校に加えて、急伸している新設校もある。小学校受験塾・伸芽会 教育研究所所長の飯田道郎氏に最新の入試動向、合格しやすい子どもの傾向、人気校の特徴などについて聞いた。

私立小は伝統校が多く「学校の理念に基づく教育」が魅力

「2020年春に新型コロナウイルスの感染が拡大して、近所の小学校が休校になった。なかなか授業が再開しない中で、私立の小学校はICTが進んでおりリモートで授業をやっているのを見て、『教育の空白期間をつくりたくない』と私立の小学校を受験することに決めた」

こう話すのは21年度に私立小学校に入学、現在は2年生の子どもを持つ保護者の父親だ。実際、首都圏の国立・私立小学校の20年度入試の志願者数は急増した。緊急事態宣言で全国の小学校が休校になる一方、いち早くオンラインで授業を再開した私立小学校に期待が寄せられたことに加え、学校説明会もオンラインで開催するところが多く、小学校受験のハードルが低くなったためだと考えられる。

では、潜在的な興味・関心層を掘り起こした20年度以降はどうなっているのか。小学校受験塾を展開する伸芽会 教育研究所所長の飯田道郎氏は、「本塾でも問い合わせが増えて、20年度は過去最高益に達しました。といっても増えたのは数パーセントです。私としてはまだまだ少ない。公立小学校以外の選択肢があること、またもっと多くの人に私立小学校のよさを知ってほしい」と話す。

飯田道郎(いいだ・みちお)
伸芽会 教育研究所所長
(撮影:今井康一)

新型コロナの感染拡大以降、GIGAスクール構想が前倒しされ、公立小学校でも1人1台の端末が配備されてICT環境が整った。今は地域や学校間で活用の度合いに差があるものの、徐々に公立でもICTが浸透していくだろう。公立と比較すると私立小学校は、準備を含めて学費などの費用も決して安くはない。ほかにはどんな魅力があるのか。

その1つに英語教育がある。20年度から公立の小学校でも3・4年生で必修化、5・6年生で教科化されたが、私立では昔から英語教育を行っているところが多い。1年生からなのはもちろん、ネイティブと日本人の2人体制で英語を教える、帰国子女だけではなく日本人も対象に全教科英語で教えるという学校もあるほどだ。

とくに飯田氏は、長年私立小学校を見てきた立場から「学校の理念に基づいた教育」を魅力として挙げる。

「例えば、慶応義塾幼稚舎や学習院初等科などは明治初期に開校した歴史のある学校。白百合学園小学校、聖心女子学院初等科、雙葉小学校なども明治時代の開校です。さらに成蹊小学校、成城学園初等学校、和光小学校、玉川学園小学部などは大正デモクラシーをきっかけに、子どもを中心とした教育を実践する小学校として誕生した。私立小学校は伝統のある学校が多く、学校の理念に根差したこだわりのある教育を行っています」

教員の異動がないから、長期的な視野で子どもを指導できるよさもある。授業のカリキュラムや進学実績だけでなく、家庭の教育方針に合った学校を選びたいところだ。また卒業生との結び付きが強く、OB、OGが来校して専門分野の授業を行うなど、卒業生や企業と連携している学校も多いという。

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