人権無視の中国拘束6年、世間話で「スパイ」と断定 『中国拘束2279日』鈴木英司氏に聞く

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『中国拘束2279日』著者の鈴木英司氏
鈴木英司(すずき・ひでじ)/元日中青年交流協会理事長。1957年茨城県生まれ。法政大学大学院修士課程修了。専攻は中国の政治外交。83年以来の訪中歴は200回超、中国の4つの大学で教員を務めた。2016年7月の訪中時に北京市国家安全局にスパイ容疑で拘束される。22年10月に懲役6年の刑期を終え帰国。(撮影:尾形文繁)
日中交流に30年以上も従事し、「親中派」を任じていた著者は2016年7月にスパイ容疑により北京で拘束され、懲役6年の実刑判決を受けた。中国での理不尽で苛酷な日々を振り返る。
中国拘束2279日 スパイにされた親中派日本人の記録
『中国拘束2279日 スパイにされた親中派日本人の記録』(鈴木英司著毎日新聞出版1760円/216ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

──2023年3月には、アステラス製薬の北京駐在員が「反スパイ法」違反容疑で拘束されました。同法違反で拘束された日本人は、鈴木さんを含め少なくとも17人いるとみられますが、その経験を公にする例は極めて珍しいです。

反スパイ法違反で拘束された場合は容疑が公表されない。だから私が中国でなぜ収監されたのかは自分で言わないと誰にも伝わらない。まして私はスパイ行為など働いていないので、自分の潔白を明らかにしたかった。

現在の中国では「国家安全」の一部とされる分野がどんどん拡大している。スパイ容疑で拘束される日本人はこれから増えかねず、それに備えた危機管理のためにも情報を共有する必要がある。

世間話からスパイ容疑で拘束

──帰国のため北京の空港に向かった際に拘束され、そこから厳しい取り調べが始まりました。

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