
いずみさわ・せいじ/1981年東京大学教養学部卒業、三菱重工業入社。国際宇宙ステーション実験棟「きぼう」の開発に携わる。2013年三菱自動車常務、2017年6月三菱重工取締役を経て、2019年4月から現職(撮影:尾形文繫)
小型ジェット機「スペースジェット」(旧MRJ)の開発を中止した三菱重工業。一方、足元の業績は好調で、今年度最終年の中期経営計画目標は達成しそうだ。原子力や防衛関連銘柄として注目を集め、株価も上がっている。今後の戦略を泉澤清次社長に聞いた。
脱炭素技術の開発は半世紀前から
――ウクライナ危機後、カーボンニュートラル達成への道筋に見直しの動きが出ています。
われわれはかなり前からカーボンニュートラルの道筋には地域や国によって違う部分が大いにあると主張してきた。(風力など)再生可能エネルギーの発電に適した地域もあれば、なかなか適地が少ない地域もある。
これから経済発展が進んでエネルギー消費が増える地域と、省エネをしていけばある程度エネルギー消費を抑えられる地域では、当然対応が変わってくる。
一時は再エネか化石燃料かという二者択一の議論が強かった。しかし、現実的にロードマップを書こうとすると、ある程度トランジット(移行的)な部分も必要になる。そこをどうするかという議論が始まったのだと思っている。
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