
小林章浩(こばやし・あきひろ)/小林製薬社長。1971年生まれ。94年、慶応大学経済学部を卒業後、東京花王販売入社。98年、小林製薬入社。マーケティング部門、国際部門の責任者などを経て、創業家の6代目として2013年社長就任。(撮影:ヒラオカスタジオ)
熱さまシート、サワデー、命の母といった日用品やOTC(一般用)医薬品などを手がける小林製薬。競合の少ないニッチ分野でシェアを獲得する「小さな池の大きな魚」戦略で有名だが、最近はブルーレットのような大ヒット商品が生まれていない。新製品開発体制の改革が急務の中、市場の変化にどう向き合うか、小林章浩社長に聞いた。
──新製品の発売から4年間の売り上げ貢献度を表す新製品4年寄与率は、2017年の約20%から22年には約10%と半減しています。
これまでは売れる商品かどうか何度も詳細に市場を調査し、4年以上生き残れると確信してから開発を始めていた。だが、開発スピードが遅く新商品数が減少したことで、寄与率も低下してしまった。
直近では非常にユニークで新しいと思える商品は、市場を調査すると同時に開発に素早く取りかかるよう変更している。22年の新製品は25品目だったが、毎年継続的に30品目程度展開し、新製品4年寄与率15%を目指したい。
SNSから消費者のニーズをAI収集
──市場のトレンドを予測するAIを活用しヒット商品を生み出す新興企業も現れています。開発体制に変革が必要ではないですか。
全社員からアイデアを募りヒット商品を考える過程は今も重要だ。一方で現在は「ツイッター」の投稿を基に消費者の悩みやニーズをAIで収集することで、新商品開発に生かすよう変更している。
社長室直轄で「CDO(最高デジタル責任者)ユニット」を新設することで、商品とデジタル技術の連携も強化していく。
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