2003年の公的資金注入から20年が経過し、復活を遂げたりそなホールディングス。 今後の成長戦略をどう描くのか。
――「りそなショック」から20年が経ちました。
いろいろな思いがあるが、一番は感謝の気持ちだ。この20年で、りそなは「再生」から「リテールナンバーワン」へと転換してきた。
細谷(英二、元りそなホールディングス会長)さんは「りそなの常識は世間の非常識」とおっしゃった。
当時のビジネスは、銀行都合とまでは言わないが、今とは軸足が異なっていたと思う。そのため、金融サービス業として、りそなのビジネスをお客様目線で見直してきた。
重かった車輪が回り始めた
(人員削減によって)4000人以上の仲間を失った。(公的資金注入翌年の)2004年3月期には1兆6000億円を超える赤字も計上した。一方で、再生を信じて残った人と一緒に、困難を乗り越えていこうという機運は社内に満ちあふれていた。
変化の兆しが出てきたのは、リストラから営業力強化に舵を切った2005年からだ。お客様起点のサービスを開発する中で、「このまま頑張っていけば新しい世界が見えるんじゃないか」と思えるようになってきた。重い車輪を動かすことは最初こそとてもハードだが、途中からは(車輪が回って)良い流れになってきた。
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