米政府は、新型コロナウイルスの流行に関わる公衆衛生緊急事態宣言を5月11日に解除した。マスクの着用が一般的でなくなるなど、日常生活ではアフターコロナへの移行が着々と進んでいたが、解除に前後して起こった政策面での変化は劇的だ。
医療保険と移民制度への課題
好例が医療保険制度だ。国民皆保険制度を持つ日本と異なり、米国の公的な医療保険は、低所得者向けのメディケイドと、高齢者向けのメディケアに限られている。対象外となる国民は、勤務先の企業などを通じて民間医療保険に加入する仕組みだ。しかし、零細企業などは医療保険を提供していない場合もあり、無保険者の解消が課題になってきた。
緊急事態宣言の発動を受けて、米国はメディケイドの加入要件を緩和した。2020年3月に可決された法律では、従来であれば対象から外れるような所得の増加があっても、メディケイドへの加入を継続できる措置が導入された。22年初めには無保険者の比率がこれまでで最低の8%にまで低下し、コロナ禍の医療を支えてきた。
この記事は有料会員限定です。
ログイン(会員の方はこちら)
有料会員登録
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
トピックボードAD
有料会員限定記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら