米地方銀行ファースト・リパブリックバンク(FRC)が、5月1日に破綻した。3月のシリコンバレー銀行(SVB)などの破綻から始まった米国の銀行不安が、まだ終わっていないことを示すものだ。
米国での銀行不安の根底にあるのは、金利リスク管理の失敗だ。昨年来の長期金利急上昇は、銀行に予想外の債券含み損拡大や固定金利貸し出しの債権価値低下をもたらした。経営不安から銀行預金が流出すると、銀行はそれらの資産の売却を強いられ、含み損が実現損になった。
銀行不安の第2ラウンド
ところが、経済悪化や企業の経営不振による貸出債権や証券の価格下落といった信用リスクの上昇は、現時点ではまだ表面化していない。金融引き締めや銀行の貸し出し抑制の影響から企業活動の悪化が進めば、それは企業向け貸し出しの信用リスクと与信コストを高め、銀行は新たな逆風に直面することになる。これが、「銀行不安の第2ラウンド」である。
この記事は有料会員限定です。
ログイン(会員の方はこちら)
有料会員登録
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
トピックボードAD
有料会員限定記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら