自衛隊の後方支援、地理的範囲拡大へ

フィリピン有事なら米軍に弾薬提供

 4月22日、安倍政権が今国会中の成立を目指す新たな安全保障法制によって、米軍に対する自衛隊の後方支援の地理的範囲が拡大する。2013年10月撮影(2015年 ロイター/Issei Kato)

[東京 22日 ロイター] - 安倍政権が今国会中の成立を目指す新たな安全保障法制によって、米軍に対する自衛隊の後方支援の地理的範囲が拡大する。政府は想定される具体的な事態を明らかにしていないが、可能性のあるシナリオの1つはフィリピン有事。

複数の関係者によると、中国と武力衝突したフィリピンとともに戦う米軍に、自衛隊は弾薬や燃料を提供できるようになる。

シーレーン有事、日本に影響と判断

政府と自民・公明両党は、5月中旬に法案を閣議決定することを目指し、新たな安保法制の協議を積み重ねてきた。米軍に対する後方支援を地理的に広げるのが柱の1つだが、どうような事態を想定しているのか、政府はこれまで具体例を明示してこなかった。

しかし、複数の関係者や専門家が可能性として指摘するのはフィリピン有事。南シナ海では中国と周辺諸国の緊張が続いている。このうちフィリピンは米国と軍事同盟を結んでおり、中国との争いが武力衝突に発展すれば、相互防衛条約に基づき米軍が参戦する可能性がある。 

「フィリピンが中国と衝突したら同盟国の米軍にSOSが行く。その米軍から自衛隊の支援を要請されたら日本はどうするのか。これは議論になると思う」と、安保政策に精通する自民党関係者は話す。

次ページフィリピンと中国の対立はエスカレート
政治・経済の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • インフレが日本を救う
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • 就職四季報プラスワン
  • 仲人はミタ-婚活現場からのリアルボイス-
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
三菱重工と日立 「統合」破談から<br>10年 製造立国の岐路

10年前に統合構想が破談になった三菱重工業と日立製作所。その後両社は対照的な道を歩み、2009年に伯仲していた時価総額は今や日立が大きく上回っています。本特集では明暗が分かれた三菱重工と日立を主軸に、製造立国・日本の生きる道を探りました。

東洋経済education×ICT