三者面談を秘密録音? 難しくなる一方の保護者対応トラブルに直面する学校 保護者の知識と行動力が「教師を上回る」時代に

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( 写真:タカス / PIXTA)

学校にはクレーム対応の専門部署があるはずもなく、子どもの教育から安全管理まで、そのほかの膨大な事務処理から部活動指導まで、すべての業務をこなして、かつ苦情対応もしなければならない状態にあります。勤務時間が終わっても、すべての責任から解放されるということもなく、担任教師や校長である以上、24時間ずっと緊張状態が持続していると言っても過言ではありません。そして親権を持った保護者からの申し出を断ることはたやすいことではありません。「本来的な顧客である」子どもとは別人格であり、不満に感じる度合いも相当に異なり、対応困難な状態になることも珍しくないのです。

今の教師に求められるスキル

教師である以上は、教科の内容をいかにわかりやすく面白く教えることができるかということと、実に多様になってきている子どもたちの状況をきちんと把握できるかということが基本であることは言うまでもありません。しかし教師を目指す者にとっては、保護者との関係づくりや保護者対応が、今や最大の不安になってきています。そして教師にとっては事務的労働や部活動指導が時間的には大きな負担なのですが、精神的負担の度合いが高いのが保護者対応だと言えます。

今の教師に求められるスキルは「法的な知識を基盤とした誠実な対応」になりました。キーワードは「法的な知識」と「誠実」の2つです。保護者が法律的な論拠に基づいて要求を出してくる以上、そのことを正確に理解する必要だということと、怖がったり逃げたりするのではなく、対等の人間としてリスペクトしながら向き合うということです。

もちろん、対応が実に難しいケースに出合うこともあるでしょう。その場合は、一人で解決しようと抱え込まないことです。そのトラブルは教師個人のミスだけではなく、ほかの要因も絡んで教師が標的になっている場合も多くあるのです。遠慮なくほかの人に頼りながら、学校全体で収束の道を探すことが肝要です。

(注記のない写真:mits / PIXTA)

執筆:大阪大学名誉教授 小野田正利
東洋経済education × ICT編集部

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小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。

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