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「覇権主義」をめぐる中国との認知戦が始まった 「中国こそが最も正しく平和的」との植え付け

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「中国こそが最も正しく平和的」という認識を植え付ける工作が進行中だ。

訪中したマクロン仏大統領と言葉を交わす習近平主席
4月初旬に訪中したマクロン仏大統領に習近平主席は異例の厚遇を用意(写真:新華社/アフロ)

本年3月、習近平国家主席がロシアを訪問して発表した中ロ共同声明は、日本ではさほど注目されなかったが衝撃的だった。中国が国際政治上、米国などの西側陣営とたもとを分かち、ロシアと共に歩む意向を明示したからだ。

米国側を「覇権主義」として敵視

共同声明が描く世界は、私たちの常識とは白黒が反転していた。声明は「国際構造が重大な調整を迎えている」と判断し、「覇権主義、一国主義、保護主義がなおも蔓延している。公認された国際法の原則や規範を、『ルールに基づく秩序』に置き換えることは受け入れられない」と主張した。つまり、「ルールに基づく秩序」を唱えるのは「覇権主義」であり、中ロ両国のほうが「公認された国際法の原則や規範」を守っているというのだ。加えて北大西洋条約機構(NATO)に、他国の主権や安全保障を守れと要求した。

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