只見線に雪月花、東急は四国「観光列車」新時代へ 他社線での営業運行が全国各地で動き出した
「当社のリゾート列車『雪月花』を只見線で走らせる」――。
雪月花を保有するえちごトキめき鉄道(トキ鉄)の社長を務める鳥塚亮氏が、3月20日に都内で行われた講演で宣言した。
トキ鉄は新潟県上越市に本社を置く第三セクター鉄道。2015年の北陸新幹線・長野―金沢間開業に伴いJRから経営分離された妙高高原―直江津間と市振―直江津間の2区間を運営する鉄道事業者として2010年に設立された。主要株主は新潟県だ。
メイドイン新潟の「雪月花」
同社のフラッグシップ列車は2016年に導入した豪華観光列車「えちごトキめきリゾート雪月花」である。ほかの鉄道会社では中古車両を改造して観光列車に仕立てるケースが多いが、雪月花はピカピカの新造車。車両を製造したのは新潟県に拠点を置く車両メーカーの新潟トランシスで、内装も照明、床材、金属部品、調度品など多くの部分で新潟県のものが使われている。“メイドイン新潟”の車両として、県も大きな期待を寄せる。
通常の走行区間は上越妙高―妙高高原―糸魚川間。大きな窓から見える海と山の景色と新潟の旬の素材をふんだんに使った料理を堪能しながらおよそ3時間かけて移動する。北陸新幹線なら10分少々で着く距離を3時間も乗るのだから、まさに乗ること自体が目的の列車だ。
雪月花の料金は食事付きのコースで2万4800円から。隣にある長野県の第三セクターのしなの鉄道が運行する観光列車「ろくもん」の食事付きプランは9800〜1万5800円。料理も行程も違うし、ろくもんの車両は中古車の改造ということもあり両者の単純な比較はできないが、雪月花の価格レベルの参考にはなるはずだ。
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