セブン&アイが打ち出すヨーカ堂改革の前途多難 33店舗閉鎖に着手、祖業のアパレルからも撤退
セブン&アイ・ホールディングスが業績不振の「イトーヨーカ堂」を軸にスーパーストア事業の改革に踏み込む。ただ、課題は少なくない。
「今回の戦略がイトーヨーカ堂の切り離しを求める株主への回答になっているとは思わない。一定の資本効率を達成しないと評価されない。そうした中で3年の時限をいただいて改善を達成していく」
3月9日、セブン&アイ・ホールディングス(以下セブン&アイ)の井阪隆一社長は、グループ戦略発表会の席上でこう決意を語った。
この日は、株主としてコンビニ事業以外の切り離し(スピンアウト)を求めていたアメリカの投資ファンド、バリューアクト・キャピタルの要求に対する回答期限。それに合わせてセブン&アイは、2021年7月に発表していた中期経営計画をアップデートした。
コンビニ好調も、イトーヨーカ堂は苦境
稼ぎ頭である国内外のコンビニ事業のさらなる成長を織り込み、2025年度(2026年2月期)のEBITDA(利払い前・税引き前・償却前利益)の目標を1兆円以上から1.1兆円以上(2022年度計画は9855億円)に、ROE(自己資本利益率)も10%以上から11.5%以上(同8.8%)に引き上げた。
修正された計画の目玉は、イトーヨーカ堂の大規模な事業整理だ。祖業の衣料品店「羊華堂」を前身に持つセブン&アイの中核事業の一つだが、専門店やネット通販との競争激化で衣料品部門を中心に業績不振が続く。2021年度まで2期連続で最終赤字に陥った。
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