セブン&アイ屈指の「孝行息子」が抱える深い悩み アクティビストと乱闘する「親」の側杖を食う

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セブン-イレブンとの蜜月関係により、成長を遂げたセブン銀行。だが、キャッシュレス化や、親会社と大株主との小競り合いの余波で、先行きに暗雲が垂れ込めている。

コンビニATMという独自のビジネスモデルを築き上げたセブン銀が、岐路に立っている(撮影:大澤誠)

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セブン&アイがセブン銀を手放す――。事業再編の一環で、セブン銀が売却されるという噂が浮かんでは消えている。

端緒は2022年2月。セブン&アイ・ホールディングスの大株主であるアクティビスト、バリューアクトが送付した公開書簡だ。コンビニ事業への集中を求めるバリューアクトは、セブン-イレブン以外の子会社群を「非中核事業」と指弾し、撤退を求めた。

バリューアクトの公開書簡には、セブン銀も「非中核事業」として列挙されている(記者撮影)

中でもセブン銀が注目を集めるのは、売却観測が初めてではないからだ。2021年にも、銀行関係者の間で「SBIホールディングスから買収攻勢を受けた新生銀行(現SBI新生銀行)が、経営統合を求めてセブン銀にすがった」という言説が浮上している。

ただし、セブン銀関係者は「当時、セブン銀社長だった舟竹泰昭氏が(新生銀の前身である)長銀(日本長期信用銀行)出身で、古巣との会話の中で話題に上がったのかもしれない。実際に取締役会で議論された形跡はない」と話す。

物言う株主の「腹案」が新たな火種に

「銀行免許目当てに、異業種が接近している」(大手銀関係者)、「不採算の子会社を差し置いて、セブン銀を手放す理由はない」(セブン&アイグループ関係者)――。さまざまな見方が飛び交う中、直近では売却観測に変化が生じている。

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