セブン銀行社長が語る「コンビニATM」の生存戦略 売却観測飛び交うも「セブンとは一緒にいたい」

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キャッシュレス化などの荒波にもまれ、踊り場を迎えたセブン銀行。コンビニATMの存在意義や親会社との関係について、松橋社長に聞いた。

セブン-イレブンとの蜜月関係により、高収益モデルを築いたセブン銀行。しかし足元ではキャッシュレス化などの試練にさらされている(左写真:大澤誠撮影、右写真:今井康一撮影)

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今やゆうちょ銀行に次ぐATM設置台数を誇り、「コンビニATM」の代名詞となったセブン銀行。
セブン-イレブンとの連携で成長を遂げた同社だが、その経営は岐路を迎えている。キャッシュレス化などの影響で業績は踊り場を迎え、さらに親会社とアクティビストとの乱闘の余波で売却観測まで飛び交う(詳細はこちら)。
2022年6月に就任した松橋正明社長は、銀行出身者が続いた歴代社長とは打って変わって技術畑だ。高専卒業後にメーカー勤務を経て、セブン銀行へ入社。創業期から20年以上、コンビニATMの開発に従事してきた。
コンビニATMの存在意義やキャッシュレス決済への対応、さらに親会社であるセブン-イレブンとの関係などを聞いた。

セブンのDNAに支えられている

――セブン-イレブンの新規事業として出発したセブン銀ですが、現在コンビニ店舗へのATM設置は一巡し、セブン&アイグループ外への設置を強化しています。社名から「セブン」を外せば、もっと自由にサービスを展開できませんか。

われわれは、コンビニ店舗のオーナーに育てていただいたという自負がある。普段ATMを掃除してもらったり、日々の売上金を(ATMに)入金していただいている関係で、オーナーに新しい機能を利用していただき、使いづらい部分を教えてもらったりしている。

「セブン」という冠も大事だが、お店にかわいがってもらっているというか、密着してやっているところも大切だ。おそらくほかのコンビニチェーンでは、ATMの運営部隊とお店がここまで一体にはなっていないんじゃないかな。

単に機械を置いてください、というだけでは(ATM事業は)成り立たない。そういう意味で、親密な店舗を抱える企業グループに属していることは、われわれにとって非常に大事だ。

――独立系となれば、例えばセブン-イレブン以外のコンビニ店舗への出店も可能になるのではないでしょうか。

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